チャンスが巡ってきたときにつかみ取れるように。はまーさんインタビュー

はまーさんインタビュー

こんにちは!
ポップアップラボの菊野です!

今回は、これまでポップアップラボで紹介してきた、「ひがいけポンド」、「Farm to Home」、「滝野川フレイムス」、それぞれの場所で出店経験がある、はまーさんにインタビューさせていただきました。

出店内容は、得意な料理を活かしたナポリタン屋さんだったり、季節のスープとケークサレのお店だったり、コーヒースタンドだったり。

そんなはまーさんは、豊島区を拠点に、親を頼れない若者に居場所や住まい、仕事のサポートをしている特定非営利活動法人のサンカクシャで働いています。

サンカクシャの飲食事業としてビストロをオープンすることになり、はまーさんは、その事業責任者に。

西池袋にあるシェアキッチン「Attic(アティック)」での出店経験も積み、今年の7月末に、ビストロ「Dans Trois Jours(ダントロワジュール)」がオープンしました。

はまーさんはなぜポップアップするようになったのか、サンカクシャとしての活動と個人としての活動をどう捉えているのか。

インタビューさせていただいたのは、ビストロがオープン目前に迫った6月末頃。場所は滝野川フレイムスで。

はまーさんお手製の美味しい料理を食べながら、聞き手はポップアップラボの風香と、滝野川フレイムス管理人の河田さんでお届けします!

目次

はまーさんが豊島区に来るまでの経緯

風香

風香(ポップアップラボ):サンカクシャに入るタイミングで豊島区に住み始めたの?

はまーさん

はまーさん:2022年の4月に再就職でサンカクシャに入って、当初は東武練馬に住んでいて。

あんまりお金がなかったから、安く住めるシェアハウスに入って。でも、けっこう外国の方が多くて、母国にいる家族とかに電話するんだけど、絶妙に時差があるから。

彼らが電話する時間って、だいたい僕が寝る時間なの。23時とか24時とか。それで寝れないし、朝起きて洗面所行くと床がびちゃびちゃだったりするし。

なんか嫌だなと思っていたとき、山本さんから山田荘が空くよって言われて。くすのき荘がご近所で、サンカクシャとくすのき荘も繋がりがあって。

かみいけ木賃文化ネットワーク
豊島区上池袋で「足りないものは、まちをつかう」をコンセプトに木造賃貸アパートと、まち、人をつなぐプロジェクト。3つの木賃「山田荘」「くすのき荘」「北村荘」を拠点に、何かが“足りない”仲間たちとともに活動している。山本さんは建築家で、かみいけ木賃文化ネットワークの代表。
Web:https://mokuchin-bunka.com/
Instagram:@kusunokisou_mokuchinbunka

それが7月とか8月とかで、じゃあお願いしますと山田荘に転がり込んで、そこから豊島区民になった。

その前後ぐらいで、初めてCCC(Cleanup & Coffee Club)に行ったりとか、としま会議もそうだし、いわゆる街の人たちのイベントとか店舗とかによく行くようになって。

それで、だんだん顔がみんなに割れてきて、10月からは拠点としてCCCも始めて。

風香

風香:自分でも始めたんだ。

はまーさん

はまーさん:くすのき荘を拠点にCCCを始めて。山本さん、僕、新井さんの3人で今は運営してて。

それまでは、職場が豊島区にあって、住まいも豊島区にあって、動く範囲のなかに、なんか街で活動してる人がいるっていうだけ。本当にただ暮らしてるだけだったんだけど。

それぐらいからかな、滝野川フレイムスがオープンする前のDIYの手伝いにも行くようになったんだ。

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風香

風香:くすのき荘の近くで何か始まるぞって?

はまーさん

はまーさん:あやさん(滝野川フレイムス管理人の河田さん)がいつだかのCCCで、フレイムスのDIY手伝ってもらえる人を募集してて。サンカクシャからも近いからすぐ行けるし、週4勤務ぐらいだったから暇な日もあるし、手伝いに行けるぞと思って、そこから客として定着した。

風香

風香:じゃあ、あやちんとの出会いも、そのときのCCC?

はまーさん

はまーさん:いや、もっと前のCCCだから、2022年の6月とか。

河田さん

河田さん(滝野川フレイムス管理人):そう、ハマー主催じゃなくて、CCC自体が始まったばかりの頃。

その頃、私も同時進行でひがいけポンドでポップアップし始めたときで、よかったら来てねってCCCでも言ってて。ポンドで出店しているときにカレー作ってたら、ちょこちょこいたなって。

はまーさん

はまーさん:実はそのときからいるっていう。

河田さん

河田さん:その時はしっかりとは認識してなくて、よく来てくれるな、みたいな。

はまーさん

はまーさん:2023年の3月に、CCCに参加している人の出店を後押しする「C-Change Project」ていうのがあって、2023年の3月に初めてナポリタン屋さんを、ひがいけポンドでやって。

サンカクシャの若者に手伝ってもらったりとかしたんだけど。

風香

風香:それはサンカクシャとして出店したの?

はまーさん

はまーさん:いや、個人として出店して。ただ、僕がやってるからサンカクシャの若者たちも来るわけ。すごい面白いなと思ったのは、ひがいけポンドなんてみんなは普段来ないし、全然知らない場所なのに、サンカクキチみたいな過ごし方をしてて。

これは面白いぞって、街の可能性をより感じ始めたのがそれぐらいの頃。初めて会ったその日のうちに、うちの若者と日神山さんがマッチアップして、普通に日神山さんに説教をくらうみたいな。

そういうのがめちゃめちゃ面白くて、今回新しくできる拠点の原型にかなりなってる。

風香

風香リビングループでお手伝いとかもしてるよね。

はまーさん

はまーさん:リビングループを手伝うようになったのは、2024年の春のマーケットぐらいから。いろんな人の手伝いをしたりするのが増えたのがその辺り。

それで、フレイムスでコーヒー、コーヒーやったのいつだっけ?

河田さん

河田さん:今年の1月かな。

はまーさん

はまーさん:1月か。今年の1月に、初めてフレイムスでコーヒースタンドやって。

なんだかんだ月1ぐらいはフレイムスでやりつつ。今年の3月からはサンカクシャで「Attic(アティック)」も借りて。

そのあと、色々方針が変わってサンカクシャとしては借り続けられないってなったタイミングで、名義を自分に変更してもらって、5月から自分でやり始めて。

6月からは「都電テーブル」でも働き始めて。その流れのなかで、サンカクシャの出店プロジェクトが大きくなって、7月末にオープン。

風香

風香:すごい。だいぶ濃密で展開早い。

はまーさん

はまーさん:今年は、なんかぎゅんって。特に6月に入ってから、急にぎゅんってしてる。

この3年間、僕はただ暮らしているぐらいのつもりだったんだけど、気づくと表舞台に。

風香

風香:ハマーが、ただ暮らしてる人っていう印象はちょっとない。

はまーさん

はまーさん:僕は良く暮らしたいだけなんだけど。

なんで、はまーって呼ばれているの?

風香

風香:いまさらだけど、名字が早川で、なんで「はまー」って呼ばれてるの?

はまーさん

はまーさん:これは、ゴミ箱にはまったっていうところからで。小学3年生ぐらいのときに、友達と部屋でボクシングしてて、ゴミ箱はまって。

そいつに、ハマリオってあだ名をつけられて。

大学でサンバのサークルに入ったとき、サンバ界隈はすごいあだ名文化で、もう必ずあだ名がつけられるんですよ。しかも、その付け方が適当で、花柄の服を着てたから、ポプラってあだ名になる人がいたり。

何かあだ名とかなかったのって話になって、ゴミ箱にはまった話をしたら、そのままだと可哀想だから、はまーはどうよって。

そんなに由来を公表しなければ、別に恥ずかしくもないし。言いやすいし、これはいいんじゃないかって。それで、大学の頃からずっとこのあだ名を使ってる。

風香

風香:もうみんな、はまーって呼んでるよね。

はまーさん

はまーさん:仕事で接する人たちも、会う回数が増えるごとに、早川からはまーになっていくんで。

僕、最初の自己紹介で自分からはまーって名乗ることは、ほぼない。早川って名乗る。でも他の人がはまーって呼ぶから。結局誰しもがはまーって呼ぶようになる。

でも、このあだ名ができてから、すごい良くて。それこそ大学デビュー用の名前みたいな。

早川智博としてやると恥ずかしいけど、ハマーとしてやる分にはいい、みたいな。だから、目の前にあるものにめっちゃ飛び込みまくるみたいなことを大学のときに始めて。

そうしたら、その所作が完全に身についちゃって。

そういえば、料理をするようになったのも1人暮らしを始めた大学のときだ。その頃はロールキャベツにはまってて、ロールキャベツをひたすらつくって、友達に分けたりしてた。

ひがいけポンドで扉を開き、くすのき荘でスタンスを身につけた

風香

風香:ちなみに、サンカクシャで働きはじめたきっかけは何だったの?

はまーさん

はまーさん:これはね、たまたま求人を見つけて。募集要項が気になって応募したら、面談してくれることになって、その面談が大盛り上がりで。

そのときはまだ地元の愛知の方に住んでいたんだけれど、面接の4日後くらいには内定が出て、その2週間後にはもう東京に引っ越して。内定が出るとすぐそこに決めちゃう。

風香

風香:そうなんだ。すごいスピーディ。大盛り上がりした面接の内容も気になるけどね。

はまーさん

はまーさん:なんかね、バトルホビーの話だった気がする。ビーダマンとかベイブレードとかボトルマンとか。ボーイズトイの魅力みたいなのをなぜか語ることになって。

あと、ボードゲームの話とかも結構して。ボードゲームが現場で役立ちそうだ、みたいな。

当時、別口でビジネスゲームを開発する会社の面接も受けてて。たとえば商社の仕組みをカードゲームで学べるみたいな。

そこに知り合いがいて、社員募集してたから応募して。サンカクシャか、そこかみたいな感じだったんだけど、そのボードゲームの会社は1回落ちたの。

そのあと、サンカクシャの内定もらってから、もう1回面談しませんかって言われて。改めて考えたら、もう1回面談したいみたいな話になったらしくて。

風香

風香:そんなパターンもあるんだね。

はまーさん

はまーさん:でも、もうサンカクシャで決めちゃってたから。ダブルワークできるか聞いたら、難しそうだった。

風香

風香:ダブルワークOKって言われていたら、てんやわんやな生活になってそう。可能性があると、全部チャレンジしちゃうタイプなんだね。

はまーさん

はまーさん:週6で働くことになってた。あんまり断らないんだよね、基本的に。

大学のときも言われた。はまーって、なんでも2つ返事でオッケーしてくれるって。大体それで自分の首絞めてる。

サンカクシャに入ってからも、呼ばれたイベントとか、ここに行った方がいいよみたいなのは、とにかく行きまくってた。

としま会議にもいるし、お祭り系とかもそうだし、どこにでもいるみたいな感じを半年ぐらい続けて。外に出るときは派手なシャツを着たりとか、今はもう切っちゃったけど、髪の内側に青く色を入れてみたりとか。

風香

風香:目立つな。

はまーさん

はまーさん:何か印象に残るものを差し込みたくて。ちょっとどころじゃないけれど。

風香

風香:そろそろ切っても大丈夫かな。みたいなタイミングがあったの?

はまーさん

はまーさん:覚えてもらえたから、そろそろ切ってもいいなって。としま会議も登壇したしな、みたいな。

第60回のとしま会議で、めちゃめちゃ反響があって。としま会議は登壇もそうだし、聴く側として行き始めたのもけっこうターニングポイントではあった。

豊島区の活動によく顔出すようになったのも、僕がサンカクシャでボランティアとかで関わってくれる人をコーディネートするポジションだったから、そういう協力してくれる人とか連携できる拠点とかを見つけたいなと思ってて。

ひがいけポンドに行きはじめたのも、面白い場所があるって、入社したときのオリエンテーションで街歩きしたときに教えてもらって、そこからCCCにも参加するようになって。

それと並行して、山田荘に住むことになって、山田荘やくすのき荘との繋がり、他の住人との交流も多くなり。

くすのき荘のスタンスは、「足りないものは街で補う」っていう。生活で何かがちょっと欠けていても、風呂がなかったら銭湯に行けばいいし、キッチンがないのなら、ご飯食べに行けばいいし。

自分だけでできないことは、人と一緒にやるみたいなことは、くすのき荘での暮らしのなかで、スタンスとして身についた感じ。

ひがいけポンドに扉を開けてもらって、くすのき荘でスタンスを身につけて、その流れのなかで少しずつ具体的な活動の量が増えて。

サンカクシャの活動もそうだし、仕事外での街での活動も増えてきて、いよいよ少しずつ独り立ちが近づいているというか。

あくまでサンカクシャという看板を背負いつつも、個人の名前で外に出ていかなければならないタイミングが近づいてきてるっていう感じですかね。

風香

風香:その具体的な活動の1つが、新しくオープンするビストロ?

はまーさん

はまーさん:もう、僕の集大成みたいな拠点になる予定で。若者の居場所でありつつ、食を中心にした拠点。

飲食店を開くのは、もっと先のつもりだったんだけど、思ったよりも早くそのタイミングが来て。なんだか、サンカクシャにあつらえてもらったっていう葛藤とかもあったんだけど。でも、チャンスがあるならと、しっかりと気持ちも割り切れて「よし、やるぞ!」って。

飲食店のオープンに向けて、最初は葛藤もあった

風香

風香:元々は、はまー個人として飲食店をやりたいって思ってたの?

はまーさん

はまーさん:サンカクシャでご飯作ったりとか、個人でナポリタンでポップアップしたりとか、人にご飯を食べてもらう機会が増えたりとか。

あとは、「ノムキフ」っていう、日本酒と寄付を組み合わせた活動があって。会費5,000円ぐらいで、その日用意した日本酒飲み放題で、1人シェフを呼んで酒のアテを作るみたいな。

ノムキフの初回の料理担当が僕で、会場がサンカクシャだったんだけど。色んな人にご飯を食べてもらって、料理を作って人に振る舞うの楽しいなって。

そのあとで、サンカクシャの支援者のつながりで、シェフのクローズドな料理教室に参加する機会があったんだけど、そこで食べさせてもらった回鍋肉が、もう、信じられないぐらい美味しくて。

風香

風香:気になる。食べたい。

はまーさん

はまーさん:美味しすぎて、それから回鍋肉が食べられなくなっちゃった。ここまで突き抜けてる料理人ってかっこいいなって思ったのと、この美味しさに悔しさも覚えて。

家庭的な中華料理がすごい得意でもあったから、頂点を見た気がして、悔しいなって。その頃から、いずれ料理をやりたいなみたいなって気持ちが芽生え始めた。

サンカクシャは、本当は自分のなかでは5年ぐらいって決めていて、今が4年目で。それが終わって、もうちょっと色々とやってから自分の飲食店を開くつもりだったのが、今飲食店を開くタイミングが来たからびっくりした。

風香

風香:思ったより早かったし、サンカクシャとしての仕事っていうのも?

はまーさん

はまーさん:自力だけじゃないというか。呼び寄せたという点では自力ではあるんだけど、大して活動もしてないのに、すごく持ち上げてもらってるというか。武道館のステージに立たせてもらったみたいな感覚が拭えなくて。

でも、立ったところから自分のものにしていけばいいんだって、どこかのタイミングで思い始めて。

風香

風香:なるほどね。そのあたりに葛藤があったんだ。

風香

風香:新しくオープンするお店は、もともとサンカクシャとして、そういう場所をつくろうみたいな話があって?

はまーさん

はまーさん:元の流れとしては、サンカクシャが若者の居場所と住まいと仕事をサポートをするなかで、住まいはシェアハウス、居場所はサンカクキチと拠点を持っていて。

社会参画の仕事の部分に関しては、企業に場所を借りたりとか、仕事を中心とした自前の拠点は持っていなかったんだけど。

サンカクシャの「サンカク」って、社会参画の参画だから、ここが本丸だし、いよいよここをちゃんと強化せねばならんみたいな話になった時に、拠点を作ろうと。

当初は、飲食の機能と、作業場と、会議室と、全てを兼ね備えた、「サンカクオフィス」っていう1個の大きな拠点にしようと思って、色々と物件を探してたんだけど、なかなかそれに見合う物件ってなくて。

そこから色んなご縁もあって、土地が1200平米の庭付きの一軒家だった場所を借りられたんだけど、オフィスというにはあまりにも一軒家すぎる。

ここでオフィスとして働くイメージがなかなか持てないっていうので、サンカクオフィス計画のなかから飲食店の機能を切り出して、まずは飲食店として、若者と街の接点、入り口にしようっていう方向で。

当初はカフェができる予定だったんだけど、荒井さん(サンカクシャの代表理事)と喋ってるなかで、「ハマーは本当にカフェがやりたいの?」って言われて。

飲食だから僕に白羽の矢がポンって立って、カフェやるのかって思ってたんだけど、キックオフミーティングで本当にカフェやりたいのかって言われて。

カフェよりかは、もっと料理をがっつり作りたい。コース料理を出すようなレストランを最終的には持てるようになりたいです。

でもそれだと、当初予定していた街への入り口にはなり得ないので、だったらビストロがやりたいですと。

お酒もあって、料理もいっぱいあって、程よく華々しさもあって。一軒家でビストロやれたら、アットホームな雰囲気もあるし、働いている若者と街の人との接点も作れそうだなって。僕は僕で、好きな料理を作れる。

だから、ビストロをやりたいですって話したところから、ビストロに方向転換して。日神山さんの力も借りて、どういうビストロにしていくか、内装も決めていって。

今年の4月に物件を正式に借りて、そこから工事が始まって、いよいよ週明けには内装が完成する予定。

風香

風香:楽しみ。どんな感じのビストロになるの?

はまーさん

はまーさん:いろんな人が気軽に来れる場所がいいなと思っていて。子連れでも、ペットがいても。近所の人たちもそうだし、いろんな人が気兼ねなく来れる場所がいい。別に福祉っていうものを感じさせない場所にはしたい。

働いてるのはサンカクシャで繋がった若者たちだけど、お客さんはそれを知らずに来て、いいサービスと美味しい料理を食べていって、満足して帰って。

それでまた訪れると、若者たちは成長してるから、以前よりもクオリティの高いサービスと料理が食べられて、なんか変わってるじゃんが繰り返されていくみたいな。

チャンスが巡ってきたときに掴み取れるよう、準備しておく

風香

風香:ここまで話を聞いてきて、サンカクシャとしての活動もあれば、個人の活動もあって、もちろん混ざっているところもあると思うんだけど、そのあたりの線引きとかはどう考えてるの?

はまーさん

はまーさん:最初は分けないようにしてたんだよね。職住完全一体みたいな。山田荘に住んでいた頃は、職場から家まで徒歩2分もかからなかったから、夜遅くまで荒井さんと喋ってみたいな生活をしてた。

でも、転機がちゃんとあって、模擬理事会っていうのをやったことがあって。外部の人たちを呼んで、その人たちが仮想の理事になって、僕らの経営方針とかにやいのやいの言うみたいな。

当時、僕と荒井さんはシェアハウスに一緒に住むっていう決断をした直後だったんですけど、理事役の1人が、「私が理事だったらそんな決断は絶対許しません」みたいなことを言って。

それは荒井さんに向けてのメッセージで、でも僕に向けてっていうのもあったんでしょうけど、歴が長い人間とか代表とかがそういう働き方をすると、他のスタッフもそこまでしなきゃいけないのかって思っちゃうから、絶対に許さないみたいなこと言われて。

そこで荒井さんも僕も、ハッとして。荒井さんはそこから、プライベートもすごい大事にするようになったし。

風香

風香:そうなんだ。

はまーさん

はまー:それで、一緒にシェアハウス住むっていうのもやめて。そこから僕も、意識的に少しずつ、プライベートとサンカクシャを分けようと試みてはいた。プライベートの時間を確保するとか、プライベートの時間にサンカクシャを持ち込まないとか。

とはいえ、それで街のなかでサンカクシャの人間として染み付いたものが取れるわけじゃないし、別に消せるものでもないなと、最近また思い始めて。

だから、プライベートと仕事の状態で人格を分けるとかじゃなくて、シンプルに時間を使う比重をちゃんと変えればいいだけだ、みたいな感じになって。

休みの日はちゃんと休むし、そのなかでサンカクシャの話があっても別に気にしないし。休めていればいいから。

でも多分、これからそのバランスを取るのが難しくなる時期がやってくる。けれど、別に仕事をするためだけに生きてるわけではないし、若者支援の中でできることをちゃんと仕事としてやりつつ、プライベートもやりたいことをやる。

相互に作用するものだから。仕事とプライベート、双方にとっていいと思うことは積極的に取り入れるぐらいのスタンスでやれたらいいなとは思う。

フレイムスに常連として通ってることもそうだし。休日でも、フレイムスに若者がいると、サンカクシャマインドが立ち上がってくるんだけど。

でも、彼らもこのあたりで暮らしてるわけで、暮らしの一部でしかないなって思うと、だんだん気にならなくなってきて。そういう意味で、仕事とプライベートのオンオフはだんだん無くなりつつある。

風香

風香:オンオフが切り替わるっていうよりは、グラデーションがあるみたいな。

はまーさん

はまーさん:グラデーションだね。サンカクシャとしてだろうが、個人としてだろうが、どっちも程よく仕事としてやってれば、仕事としてお金が入るし。

多少営利を生むのであれば、お金が入ってくる活動だし。そうじゃないのであれば、余暇活動だし。

それをより強固にするために、独り立ちじゃないけれど、サンカクシャっていう看板を背負わなくても活動しやすくなるといいなって思うようになって。

それこそ、リビングループでのカワダキッチンの手伝いが減ったのも、かなり転機ではある。お店がオープンするっていうのもあって、個人としても名前を売っていかないとねって。

今年の4月のリビングループで一旦、カワダキッチンのフルでの手伝いはおしまいで、5月、6月は午前中だけみたいな感じで。

とはいえ、すぐに1人で何かできるわけではないから、もう1つのプライベートであるくすのき荘の出店に顔を突っ込んだりはして。

誰かの手伝いをするのも、それはそれで暮らしとしてはすごいいいなと思ったし、楽しいけれど、自分の暮らしを良くしていくためには、ちゃんと地に足付けないとなって思って。

1人の人間としての売れ方、見え方みたいなものもちゃんとしないといけないなって最近は思うし、それがないと、たぶん独り立ちするタイミングで、すぐに独り立ちできない。

個人としてのチャンスが巡ってきたときにちゃんと掴み取れるよう、準備しておこう、みたいなイメージで。

その結果、生活的に多少追っつかなくても、今は耐えどきだと思って頑張る。けっこう大変なんですよ、自分で Attic を借りて4万払い続けるのも。

風香

風香:気軽に出せる金額でもないもんね。

はまーさん

はまーさん:けっこうしんどいなと思いつつも、ここで継続していることで得られる繋がりとかが、いつか必ずプラスに転じる瞬間が来ると思って、苦労を買ってるって感じ。

風香

風香:はまーにとっての暮らしやすさみたいな土台があって、それをどう良くしていくか、そこに仕事とプライベートが紐づいてる感じなのかなって思った。

はまーさん

はまーさん:仕事も暮らしだから。サンカクシャは何をしてる団体なのかって考えたときに、暮らしを支える団体なんだなって。

居場所をつくるというよりは、若者たちの今後の暮らしを考えて、その暮らしをよくするというか。

それがすごい大事で。例えば事業者として東池袋に構えたときに、僕も含めて関わる人たちの暮らしが良くならなかったら何の意味もないなと思う。だから、東池袋に拠点があることで地域の暮らしが良くなることがすごい大事。

これは相模原で農場をやってる人が教えてくれたことで、ここに農場があることで、周囲の暮らしが良くなることに意義があるみたいな。例えば野菜を分け合えるとか、災害時にここが3日間、救援物資が届くまでのセーフティネットになるとか。

そういう暮らしに直結する良さがあって初めて、ここがちゃんと価値を持つみたいなことを言われて、なるほどって思って。

そこから、自分の暮らしと他者の暮らしを地続きで考えるようになったし、それと同時に自分の暮らしとやりたいことのサイクルみたいなものをちゃんと近づけていく必要はあるなと思って。

最近日神山さんに「君は表現者なんだね」って言ってもらって、確かにそうだなと。何か書いたりとか、歌ったりとか、料理したりとか、表現し続けてる瞬間が、やっぱり1番楽しい。

表現するなかで得た実感とか、自分の内側から出たものが他の人の元に渡って、何か動かすみたいなことが、多分1番楽しい。

文章を書くことも仕事になったらいいのかもしれないし、料理もこれからだんだん仕事になろうとしてるし、ライフワークだった音楽も、ゆくゆくは何かの形で稼ぎとか暮らしに繋がっていくといいなと思っていて。

だから、1個1個、暮らしと分けずに、ちゃんと繋げていくみたいな作業をこれからしてこうかなと。

優先順位ナンバーワンは、穏やかな暮らし

風香

風香:インタビューしてて、どういうことが好きなだとか向いてるとか、自分に対しての理解度が高そうだなって気がして。

はまーさん

はまーさん:あんまり高くないと僕は思ってるんですけど、でも、自分に対する考え方で1個、ちゃんと軸が最近できて。

自分探しを内側にしたところで、自分はわからないじゃないですか。心の内を物理的に覗くこともできないし。じゃあどうやって判断しようって思ったら、自分の外に出てるものは間違いなく観察が可能で。

筆跡とか、足取りとか、喋り方とか、仕事の仕方とか。外に出ているものを俯瞰して、共通点を探したりとか傾向を見つければ、自分っていうものが立ち現れてくる。

今までの楽しかった経験とか、苦しかった経験とかはアウトプットができるから、1回誰かに喋ったり、文字にするとかしてアウトプットしたものを客観視すると、自分のことを再知覚できるという。

それを繰り返していくうちに、だんだん自分っていうものの輪郭が見えてきて、自分はこういう人間ですって言えるようになっていく。

風香

風香:その作業は、割と意識的にやってるの?

はまーさん

はまーさん:最近はコーチングを受けるようになったので、そのタイミングで今感じてることを喋ったりとか。文章を書くのもそれに近い。

自分はこういうのが得意とか、実はこういうものを大事にしてたんだとか、優先順位が見えたりするから意識的にやってるんだけど、何度やっても僕の優先順位ナンバーワンは穏やかな暮らし。

風香

風香:そこはもう間違いないんだ。

はまーさん

はまーさん:穏やかに暮らしたい。でも、ブレずに穏やかに暮らすためには強くならないといけない。

緩やかに人生の波があるのが良くて。盛り上がりのない人生は、それはそれでつまらないので。

変化はあっていいけど、心が穏やかである必要がある。だから、何事にも動じない心を手に入れるとか、大丈夫だと思えるような自信を身につけるとか。

そういう確かな強さというか、人間としての芯みたいなものがあると、おのずと生活は穏やかになるのかな。

物理的に強い人たちって、なんか穏やかそうなんですよね、生活が。

風香

風香:その人間としての芯は、どうやって身につけてきたの?

はまーさん

はまーさん:芯を身につける過程で、自分でやるのはすごい大事だなって。Attic を自分の名義で借りたことにも強く繋がっていて。

サンカクシャとか誰かの手伝いは、自分じゃないところに土台がある。けれど、Attic で自分で営業するときは、人が来てもらうためにちゃんと頑張る必要がある。

Attic は設備も充実してるけど、自分がそれに見合うだけのものを持ってこないと活用できない。これを十二分に活用できて、人の流れがちゃんとできるところまで、時間がかかっても持っていけたら、それはすごい自信になる。

しかもそこで積み上げた自信とか繋がりが、僕だけじゃなくて、サンカクシャと有機的に作用するかもしれないし、結果的に人生に大きく影響するだろうなっていうのがあるから、かなり大事にしている。

あとがき

自分の暮らしを良くするためのポップアップであり、実店舗の出店であり、それが周りの人たちの暮らしも良くしていく。すべてが地続きで繋がっているような、そんなはまーさんのお話が印象的でした。

そして、ひがいけポンドやくすのき荘など、豊島区の色々な場所がポップアップで飛び出す土壌として、はまーさんをはじめ、多くの人を後押ししてきたんだなと。

私自身も、初めてポップアップでイベントをしたのがひがいけポンドなので、こういう場所をつくってきてくれた方々の存在が本当にありがたいです。

はまーさんが美味しい料理を振る舞う、ビストロ「Dans Trois Jours(ダントロワジュール)」もぜひ訪れてみてください!

基本情報

Dans Trois Jours
住所:東京都豊島区東池袋4-29-4
アクセス:東京メトロ有楽町線「東池袋駅」から徒歩3分ほど
Instagram:@bistro_dans3jours


EDITOR:菊野泰斗
PHOTOGRAPHER:風香

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