こんにちは!
ポップアップラボの菊野です!
今回は、HOMEROOM 101の乾弥生さんと、かようびのおいなりさんの岡﨑千帆さん、太一郎さん夫妻へのインタビューです。
「HOMEROOM 101」は、2022年9月にオープンした、子ども・家族・地域が一緒に育つ近所のアトリエ。アート教室や陶芸教室に、ヨガやマッサージ、カフェなど様々な出店が盛りだくさん。
そんなHOMEROOM 101を立ち上げ、運営しているのが乾さん。海外と日本を行き来しつつ、北区を中心に、北区Hack-a-Parkという活動もしていて、大人も子供も楽しめるような場をつくっています。

そして、HOMEROOM 101からポップアップ出店をスタート、そこから稲荷湯長屋など出店の幅を広げてきた、「かようびのおいなりさん」。HOMEROOM 101と同じタイミングの2022年9月から出店をスタートし、今年の2025年11月に、なんと実店舗をオープン!


今回は、実店舗オープン前のタイミングでインタビューさせていただきました。
子供が通う幼稚園で出会った、乾さんと千帆さん

菊野(ポップアップラボ):HOMEROOM 101があるこの場所は、もとは普通の民家とかだったんですか?

乾さん(HOMEROOM 101):元々は駄菓子屋さんでした。土間が駄菓子屋さんスペースで、こちらが住居スペースで。それで、私の前の方がコーヒー屋さんをやっていて。

ここでアート教室を始めようと思ったときにちょうど、ちほさんがうちの息子と同じ幼稚園にお子さんを入園させた時期で。会話のなかで、調理師免許を持っていて、でも今は何もやっていないって聞いて。なんてもったいないんだと思って。
しかもこの人柄ね。ほっとくにはちょっと惜しい。アート教室以外の空いている時間で一緒に何かやらない?って声をかけたところが始まりです。

菊野:おいなりさんを出すことにしたのは、得意料理だったからですか?

乾さん:おいなりさんになるかは、わからなかったんだよね。「何やる?おにぎりみたいなのがいいよね」と話していたんだけど、大塚の「おにぎりぼんご」にはかなわないよねって。

千帆さん(かようびのおいなりさん):でも、ああいう系だよねって。

乾さん:色々考えて、おいなりさんはどうかなって試食で持ってきてくれたのがすっごい美味しくて。いいじゃん!ってなって、今にいたる。もう大人気ですよ。

千帆さん:私、実はそれまで、おいなりさん好きじゃなくて。ただ、私も好きになったタイミングと同じぐらいに息子も食べるようになってくれて。おいなりさんになりました。

菊野:好きじゃなかったとは!ちなみに「かようびのおいなりさん」という店名は、ここでの出店が火曜日だったからですか?

千帆さん:そうなんです。火曜日だけやっていて、わかりやすいように「かようびのおいなりさん」にしたんです。
でもHOMEROOM 101での営業は月曜日になったし、稲荷湯長屋は木曜日だし、ちょっと紛らわしい。よく突っ込まれます。
この前近所のおばあちゃんに、頭の体操になるって言われて。木曜日だけど、かようびのおいなりさんだから。
それなら、よかった〜って。

菊野:そんな効果があったんですね(笑)

種類が豊富なおいなりさん

菊野:おいなりさんの種類もたくさんあって、選ぶのが楽しいですよね!

千帆さん:おもしろいかなっていうのを、色々作ってみていて。

乾さん:たぬきとかごまは、ずっと最初からあるよね。作らなくなったものってあります?一味とかは最近出てたっけ?

千帆さん:一味も出してます。でもお蔵入系もいっぱいあって。思ったよりもお客さん受けが良くなかったなとか、コスパがあんまり良くないなとか。
なるべく100円から200円の間で抑えたいというのがあって。2人で話しながら、おしながきは考えています。

乾さん:今日のおしながきだと、ゴルゴンゾーラとナッツは私が来るって知って作ってくれたんだと思う。ワインに合うおいなりさんって、想像しただけでワクワクしますよね!

菊野:おいなりさんに入れようとは、なかなか思わない食材ですよね。レシピはお二人で考えたんですか?

千帆さん:考えたのは夫です。私はけっこう保守的で、たぬきとか。
彼はけっこう攻め系なんだけど、お客さん受けが良くて人気があるのは彼が考えた方の場合が多くて、ちょっと悔しいです。

太一郎さん:考えた人間が作って、味見はお互いで。考えた人間が結果的に担当になる感じですね。レシピは共有してるんですけど、発案した方が調理まで、みたいな。

菊野:お二人のどちらが担当したんだろう、と考えるのも楽しそうですね!

ホームルーム101ができるまで

菊野:アート教室をやるための場所を探していたら、ちょうどこの場所が見つかったみたいな流れですか?

乾さん:イギリスに住んでいたときに始めたアート教室だったんですけど、日本に帰ってきてもやりたいなと思って。
拠点を持っていないとき、保育園に行ったり幼稚園に行ったりと出張ベースだと、持っていける荷物も限られているから、「先生あれないの?」と言われたときに出せないのがけっこう辛くて。
でも教室を持っていたら、「あるよ!」ってできる。

菊野:それはかっこいい先生だ!

乾さん:外国人として過ごしていたイギリス在住でしたが、地元の人が本当に暖かく受け入れてくれて、「いろんな人が地域にいることは素晴らしいこと!」という感じと、「子供は地域みんなでそだてるもの」っていう共通の意識に感動して、それもやりたいなと思って拠点を探してたんですよ。
このあたりに引っ越してきて半年くらいのときに散歩していたら、コーヒー屋さんとして営業していたこの場所を見つけました。
うちの旦那が「閉店するって貼ってあったよ、聞いてみれば」って。
でも高いんじゃないの。と思いつつ聞いてみたら、コーヒー屋の店主さんが「ここの大家さんは面白い人だから、やることを気に入ったら安くなるよ」って。
それで企画書を用意して大家さんのところに行ったら、「ぜひやってごらん」って言ってくれて、それから今に至るまで幅広く応援してもらっています。

運営は、幼稚園のママ友同士で

菊野:HOMEROOM 101は、ママ友同士で運営していたり、出店している人もママ友が多いと聞きまして。

乾さん:そうなんですよ。ちほさんと会ったのも幼稚園の入園式でした。
そこから、家がめちゃくちゃ近所だってことがわかって。そういう感じで、話を聞いてると、幼稚園のお母さんって、普段はお母さん業の陰に隠れているけど、なんかすごい人だったってことがどんどんわかってくる。
整体師とか、陶芸の先生だとか。それが、お母さんっていう括りになった途端に、その得意の部分が薄れたり、自分でも急に言わなくなっちゃったりとか。
それで何もしてないのも、もったいないなと思うようになって。だから、ここでマッサージ屋さんを出店してもらったりとか、陶芸教室とかリフレサロンやってもらったりしてます。
あとは、飛行場のグランドスタッフとかの接客業をやっていた人がいるので、ここの管理を任せて、鍵開けや接客をお願いしたりと。

菊野:いろんな経験をされてきた方がいるんですね。

乾さん:あとは、3度の飯より掃除が好きっていう強者も!お掃除に入ってもらったりとか。
ちなみに、元々アート教室に来てくれていたお母さんが「私、カフェとかやってみたかったんだよね」ってボソッと言ったのが、ユメコーヒーのオープンのきっかけです。だからね、私に言っちゃうと、まずいんです。

菊野:じゃあやってみようよ!ってなっちゃう。

乾さん:そうなんです(笑)
この自分家っぽい雰囲気とサイズ感だし、ちっちゃいスタートが可能な場所だと思うんです。失敗しても、ダメージも少ないから。みんな、ちょっとだったらやってみようかなって思ってやっている。スタートしやすい場所だと思ってます。

千帆さん:価格設定も良心的で助かってます。試しやすい。何かやってみたいっていう人が、始めやすいと思う。
コミュニティバスも通ってるので、交通の便も意外と良いです。

乾さん:近くに中央公園があるし、そこで夏場は水遊びもできる。車の通りも少ないで、子供を連れてきやすいというのもあると思います。
HOMEROOM 101はこんな人におすすめ

菊野:HOMEROOM 101はこんな人に合っていそう、みたいなのがあれば教えていただきたいです。

乾さん:今の自分に何ができるかっていうのを、考え続けられる人ですかね。これからの自分というよりは、今何ができるのかなってことを。これからの自分を考えすぎちゃうと怖くなって足がすくんじゃうけど、今できることだったら始められるかなと。
あとは、自分がやっていることの先の嬉しいって顔を想像できる人。商品でもサービスでもいいんですけれど、こうやったら喜んでもらえるかな、を想像できる人。
やっているうちに経験は積み重なっていくので、まずは想像できると、きっとここで楽しく出店できるんじゃないかな。

菊野:なるほどです。

乾さん:いろんな世代の人に楽しんでもらいたいなと思っているんですけど、やっぱり子供っていうのが、私の中で大事なキーワードで。子供たちに、いろんな大人の姿を見せてあげたくて。子供たちに良い背中を見せる、そこを意識できる人がいいかな。


乾さん:例えば結婚して子供がいる大人だけじゃなくて、私は結婚しないよっていう大人、子供は持たないよっていう大人がいてくれたりすることで、子供たちも「こうじゃなきゃいけないんだ」っていう固定観念を持たずに大きくなれるのかなって。
そういう意味で、いろんな人に使ってもらいたいです。お母さんじゃなくてもいいし、自分で決めて独身でいる人でもいいし、婚活中だよって人でも。色んな生き方を見せてほしいなと思ってます。

菊野:小さい頃とかに、楽しそうにしてるお父さんお母さんとか、大人の姿を見て育つって、素敵なことな気がします。

千帆さん:ここのおかげというか。子供が一緒にいても安心で、働いている姿を見せれて、すごいありがたい場所ですね。
中でも遊べるし、前の道路で走っていても安心だし、虫取りもできるし。息子もここで過ごすのがすごい好きみたいで。もう帰るよって言っても「まだ居たい」っていつも言ってます。もう初めて来たのかっていうレベルで。


乾さん:初めてお子さんに会ったときは、もちろん年齢もあると思うんですけど、人見知り全盛期で。
それが、お母さんがここでお店を始めたからかな、すっごい人懐っこくなって。年齢的に成長したこととか、性格とかもあるとは思うけど、お父さんとお母さんの仕事を見ながら育つのってすごいいいなって思いました。

千帆さん:ほんと、ここのおかげだなって。

出店者同士のコミュニケーションの秘訣は?

菊野:出店者同士のコミュニケーションが、HOMEROOM 101は活発なのかなと感じたのですが、そうなるように何か工夫していることなどはあるのでしょうか?

乾さん:ちほさん、お店同士の繋がりが生まれたのは、私の飲みニケーション以外に何かありましたっけ?(笑)

千帆さん:やよいさんが繋げてくれていると思います。出店者と、そこにやよいさんがやっぱりいて、こう一緒にやったら面白いじゃんって提案をしてくれる。そこから広がっている気がします。
私が稲荷湯長屋を利用するきっかけになったのも、やよいさんなので。やよいさん主催で、稲荷湯長屋でやるイベントに声をかけてくださったんですよね。
そこから稲荷湯長屋の存在を知り、定期的に貸してくださいって運営のサムさんに連絡をして。
やよいさんの人を巻き込む力なのかな。うまくこう、人と人を繋げて、この人とこの人は合うかな、みたいなのを。

乾さん:思いつきとひらめきだけで走り続けてるんで。今、HOMEROOM 101を管理してくれている人と、お掃除に入ってくれてる2人が、私が散らかした道を整えてくださっている。
一過性のものを作るのは多分すごく得意なんですけど、それをよりよく効率的にまわしていくにはやっぱり別の力が必要で、その辺りをみんなに補っていただいて、一緒にやっている。
夢や憧れが、ちょっとずつ現実味を帯びてきた

菊野:間借り出店から、いよいよ実店舗オープンのフェーズですよね。自分のお店を持ちたいなと思い始めたのはいつ頃からなんですか?

千帆さん:去年やよいさんとミーティングをして、そのときに初めて実店舗オープンを考えていることを伝えました。

乾さん:応援するけど、したくないよって(笑)
居てほしいなとは思うけど、でもこんなに美味しいし、人気があるし、必然的にそうなるでしょうって思ってました。

菊野:実際にお店を構えると、家賃とか固定費もやっぱり上がってくるわけじゃないですか。それでも、いけそうだなって感覚があったんですか?

千帆さん:自分のお店を持ちたいっていう気持ちが、若い頃からずっとあったんです。心のどこかに憧れ、夢としてずっとありながらも生活をしていたのが、やよいさんのおかげでちょっと現実味を帯びてきて。
夫も今はおいなりさん1本なんですけど、それまでは仕事に行く前に、もうめちゃくちゃ暗い時間に起きて運び入れをしてくれたり、色んなことを協力してやっていくれていて。

ちょっと1回休もうかなっていう考えもあったんですけど、今までの積み重ねを崩すのがもったいないっていう気持ちも出てきて。何よりもお客さんの美味しいっていう言葉が、もうめちゃくちゃ嬉しくて、顔を見るのもすごく嬉しくて、楽しくて。
やっぱりここで辞めちゃったらもったいないし、一生後悔するなっていうのがあって。やる後悔とやらない後悔だったら、やる後悔を選ぼうと。でも、後悔しないけどね!と思いつつ(笑)
いけるでしょうっていう気持ちより、やるしかないっていう気持ちの方が強いです。それでダメだったらしょうがないじゃんみたいな。
お互いぶつかることもあるしね。だけど、同じ方向は向いてるのかなって思ってます。

あとがき
私自身、ポップアップで出店したり、このポップアップラボという活動を通して、様々な人と出会ってきました。
そのなかで感じたのは、「本当に色んな生き方をしている人がいる」ということ。お店のオープンを目指して活動している人、趣味の延長で仲間と楽しく活動している人。色んな生き方、価値観の人と出会えることが、ポップアップの1つの魅力だなと。
お母さんが今までの経験を活かしつつ出店できる場所。そんな場所に多くの人が訪れていて、楽しそうに活動している横で子供たちが自由気ままに遊んでいる。乾さんたちがつくってきたHOMEROOM 101は、とっても素敵な空間でした。
そして、間借り出店から実店舗へ、新たなステップを踏み出すかようびのおいなりさんの、千帆さん、太一郎さん夫妻。おいなりさんの美味しさもちろんですが、お客さんとのやり取りや和やかな笑顔、その人柄も相まって、たくさんの人に愛されるお店になってきたんだろうなと感じました。
かようびのおいなりさんの実店舗は、ポップアップラボでも紹介させていただいた「滝野川フレイムス」や「稲荷湯長屋」からも近いです。ぜひ一緒に覗いてみてください!
基本情報
HOMEROOM 101
住所:東京都北区王子本町2-31-12 市川荘 101
アクセス:JR「王子駅」から徒歩10分ほど
Instagram:@home_room_101
おいなりさん専門店 かようびのおいなりさん
2025年11月から実店舗オープン!
住所:東京都北区滝野川6-31-14
アクセス:JR「板橋駅」から徒歩7分ほど、都営三田線「西巣鴨駅」から徒歩10分ほど
Instagram:@kayobino_oinarisan
EDITOR:菊野泰斗
PHOTOGRAPHER:風香

