こんにちは!
ポップアップラボの風香です!
6/7に池袋東口グリーン大通りで行われたマーケットイベント「IKEBUKURO LIVING LOOP」で、「ポップアップトーク」を開催しました。
ポップアップとは、間借りやシェアキッチンなどで出店することですが、今の自分の生活から、何か理想を叶えるべく、はみ出して活動してみることも、それもまたポップアップ。
グリーン大通りのど真ん中にちゃぶ台を置いて、何かチャレンジしている人、そんな人たちを応援する人、応援できる場所を持っている人たちをゲストとしてお呼びし、普段の活動など聞いていきます。
今回は、建築家の 山本直さん(以下、山本さん)とまちの回遊魚 ダーヤスさん(以下、安田さん)のお話をシェアします。
おふたりのトークには、まちのお友達もたくさん聞きに来てくれて、夕暮れ時のちゃぶ台をみんなで囲って、わいわいしているのがいい風景でした。

山本さんは、豊島区を中心に活躍する建築家。
IKEBUKURO LIVING LOOPの会場となっている池袋駅東口のグリーン大通りに設置されている停車場のストリートファニチャーも、山本さんが建築家 砂越陽介さんと共に設計しました。
立教小学校の新校舎建設に伴い、廃棄予定だった教室の時計、黒板、扉等を再利用しています。

出典:IKEBUKURO LIVING LOOP
山本さんが、妻・山田絵美さんの親から受けついだ風呂なしアパート「山田荘」の活用を皮切りにスタートした活動が「かみいけ木賃文化ネットワーク」。
豊島区上池袋で山田荘・くすのき荘を改修し、まちとネットワークする住まいやシェアスペース、シェアアトリエを運営しています。詳細は、後ほどのポップアップトークでたっぷりとご紹介。
安田さんは、株式会社サンシャインシティのまちづくり推進部の人。
ご自身のことを「まちの回遊魚」と称する通り、としまエリアを中心に、まちのおもしろい場所や人、イベントなどを様々めぐっています。
そしてその情報を発信したり、案内したりする「としまち巡り」という活動を行っています。
まちの情報量と発信量が本当にすごい。
安田さんのストーリーズを見ていると、その日のまちの様子を知ることができます。安田さん目線の発信なのがまた見ていておもしろく、まちの人の個性や関係性、温度が伝わります。
2024年のIKEBUKURO LIVING LOOPでは、リビングループ出店者を訪ねてまわる『まちの案内人』として、2日間約30kmの旅程を歩破しています。
滝野川・板橋を含むとしまエリアは、「まちをつくる」建築家さんや大家さんと、「まちに暮らす」ひとたちの距離が近くて、むしろ職業や立場を超えて「ご近所さん」の関係にあるように思います。
山本さんと安田さんも、一緒にインドに行くほど仲良しのご近所さん!その話も後ほど。
おふたりのポップアップトークは、その「ご近所さん」の関係を体感できる、終始軽快で楽しい空気感でした。
今面白くなってきているとしまエリアの実態を垣間見ることができるおふたりの話を、その空気感と共にお届けします。
足りないものは、まちをつかう「木賃文化ネットワーク」

安田さん:
山本さんって普段何してるの?「何もしてない」に1票。

山本さん:
半分正解です。

安田さん:
もう半分は何をしてるんですか?

山本さん:
メリーちゃんを日々こう、可愛がってオープンしてる。

まちのお友達:
メリーちゃん・・・?

安田さん:
初見の方がいるんで自己紹介をして!どこで活動してんのおにーさん?

山本さん:
くすのき荘とか山田荘とか、古いアパートとかおうちを改修して、居場所というか、シェアハウスみたいなことをやってまして。
あとシェアアトリエでアーティストさんとかデザイナーさんに作品を制作するスペースを貸したりとか、そういうことの運営をやっています。
借りてくれている人のことを「メンバー」って言っているんですけど、安田さんはそのメンバー。

安田さん:
くすのき荘のリビング的なところを借りている「リビングメンバー」。いちばんライトな会員。

出典:かみいけ木賃文化ネットワーク

山本さん:
あと妻の実家が昔建てた風呂なしアパートの山田荘があって、そこを改修したりしつつ、若い人に住んでもらって、くすのき荘っていうリビングを外付けして。
山田荘とくすのき荘を繋げることで、でかいリビングと、作業する場所だったりとか、人と繋がれる場所が、まちの中に家の外付けで付いてるみたいな。
そういうのを僕たちが、木造のアパートや古いアパートの生活文化だなっていうことで「木賃文化」って言っていて、活動している。宣伝したり共感してもらったりしつつ、っていう感じです。

安田さん:
七輪とかやったりして。
通気性がいいんで、七輪とかやっても特に問題がない。


出典:かみいけ木賃文化ネットワーク

安田さん:
(まちのお友達に)くすのき荘行ったことないですか?
最初は入りづらいんですけど、入ると意外と優しくしてくれる。
決して入りやすくはないんだけど、来るものは拒まない。

山本さん:
昔はそのアトリエとか住居とかシェアリビングとか、会員さんが使うスペースなので、ふらっと行ける場所ではなかったんです。
けど、今は金土日「喫茶売店メリー」というカフェをオープンしているので、はじめましての人でも、うちのスペースを見学したり話を聞いたりすることができる。

安田さん:
山田荘と喫茶売店メリーのあるくすのき荘は、200メートルぐらいの距離ですね。山田荘が居住機能。

山本さん:
そう、居住とか、事務所とか。
今は、50代のご夫婦が書斎として借りたり。

安田さん:
そうなんだ。

山本さん:
家は別にあって、趣味がだんだん高じて、さらにその趣味を知り合いとかに開きたいっていうので、アパートの小さい部屋を借りてやってるって感じですね。
住めるところもあります。
山田荘とか北村荘っていうところは、アパートの一室みたいな。

安田さん:
そう、その辺が難しいんですよね。建物は2つ基本あって、住む風呂なしアパートの山田荘。遊べるくすのき荘。
要素が多すぎて難しいんですよ。

山本さん:
多くない多くない。

安田さん:
多いやろ!そこがネックやろ!

山本さん:
そう?

安田さん:
一言で何ってなかなか説明しづらい。

山本さん:
風呂なしアパート「山田荘」は、まあまあ山田荘に限らずなんですけど、お風呂がついてないので、近所の銭湯に行ったりとか、食堂が地域のお店だったりとか、家の中に全てが整ってて、すごくよろしく快適に過ごせるっていう感じじゃないので。
かつては、機能的にまちと繋がらざるを得なくて。お風呂に行くために銭湯行くとかいう文化があって。
銭湯に行けば、大きな風呂に入って気持ちよくなって、脱衣所で世間話をしたり。
そういう、まちとともに暮らす文化をもう少しこう、捉え直す。機能が足りないとかはちょっと不便だけど、それは家の外にある。ちょっと子供を連れていく、まちのおっきなリビングが欲しいとか。
そういう感じで、平たく言えば、シェアする場所を作っています。


出会いはワークショップにある?!

安田さん:
奥さんは、大学で何を勉強してたの?

山本さん:
奥さんはね、社会学なんですけど、スペインの世界遺産の街について大学院で研究していて。
トレドって、スペインの小さいまちなんですけど、その世界遺産のまちに住みながら、「暮らす」っていうことを研究してました。

安田さん:
現地に行ってた?

山本さん:
現地に行ったみたいです。
そこから、ハウジングアンドコミュニティ財団ってところで助成金を出すお仕事をしてた。積み立ててある基金があって、そこからの運用利益をもとに、助成金で古民家とかをまちの居場所にする人たちとか、地域で活動してる人たちを応援したりとか。
そこから市民社会創造ファンドというNPOに転職して、今度はね、もう少しテーマが広くなって、企業さんの社会貢献のためのCSR事業を助成金のプログラムにするお仕事をして。
たとえば、ファイザーって薬の会社が、薬に頼らない健康の活動を推進している団体を支援する助成金を作る、そういうプログラムを作るとかをやっていたり。
住友生命健康財団さんには、長野の白馬で廃スキー場を活用するNPOが「こういう活動したいです」といった申し込みが来る。そういうのを支援するためのノウハウを共有したりとか、事務局をやったりとか。

安田さん:
じゃ、奥さんとの馴れ初めを3行で。

山本さん:
え、馴れ初め?
出会いは、だから、あれですよ。六本木のミッドタウン・デザインハブってところで、2010年に開催された若者の防災意識を高めるワークショップにお互い参加していて。

安田さん:
お互いみんなワークショップで出会ってる。今日の人。
※ワークショップのようなもので出会いがあった今日の人=日神山さんの話は、ポップアップトーク日神山さん回ご参考

山本さん:
でも別に出会っただけですよ。別に恋愛感情なんて何にも思ってない。

安田さん:
どこで恋愛感情になったんですか?

山本さん:
恋愛感情というよりは、生存本能。

安田さん:
原始人か!

山本さん:
2011年に学生の時知り合ったんですけど。年上なんですけど、奥さん。
2011年震災の年の3月に卒業。全部エントリーシート出したんだけど、返事すら来ないっていう状態で。
野垂れ死にそうな時に奥さんがなんかバイトあるけどやる?みたいなこと言って、「やりますやります」っつって。
で、ちょっと展示の設営とか色々こう手伝っていくうちに、「お腹空いた。」つって。なんかこのお姉さん、いつもラーメン食べさせてくれるな、帰りに。みたいな、そんなところから。

まちのお友達:
餌付けされていったような感じ。

山本さん:
ねえ。そうみたいですねえ。
おいしいラーメンはね、あの時ね、1000円以下でね。こんな素敵な人がいるんだって思って。知らない間に付き合ってました。

まちのお友達:
いい話!


山本さん:
(まちのお友達に)奥さんとの馴れ初めは?

安田さん:
なんで居合わせたお客さんの・・・じゃあ聞いとくか。

まちのお友達:
ワークショップです。

山本さん:
あ!ほらあ!ワークショップ!

安田さん:
出会いはワークショップにあるぞ!むやみに申し込め!

山本さん:
安田さんの奥さんとの馴れ初めは?

安田さん:
私、別にいらなくない?まあ、じゃあ、高校の天文部の後輩を騙しました。

山本さん:
その時の告白の言葉を聞こうか。天文部のロマンティックな男女が何をこう、星空を見ながら・・・

安田さん:
違うのよ。そういうことじゃ・・・あー、でも星空見てた。甘酸っぱいね。付き合って10年目のその日に結婚。めっちゃいい話でしょ?

山本さん:
何座の話をしたんですか?射手座のような、こう・・・

安田さん:
雑だなあ、君は。

山本さん:
地球の自転について考えてたんですか?

安田さん:
うるせえな、うるせえな。引っ込めよ!
ずっとお付き合いをしていて、結婚して今年で17年目だから、付き合ってから27年ですよ。
大変!責任取れませーん!
ネットワークする仲間たちがどんどん増えていくと、もっとまちが面白くなっていく。

安田さん:
じゃあ、時間も迫ってきたので、くすのき荘の未来の話を。

山本さん:
くすのき荘の未来っすか。

安田さん:
例えば、2代目山本山田みたいのに継がしたいみたいなのもあるの?

山本さん:
くすのき荘自体は、あんまり絶対的な存在だと思ってなくて。
我々自身で言えば、形を変えるかもしれないし。

安田さん:
別にあそこのあのスタイルじゃなく?

山本さん:
そう。あそこは定借なのでずっと借りれるとは限らないし。それはそれとして、くすのき荘の未来はふわっとしてる。
でもあのエリア、上池袋、滝野川、板橋とか。

安田さん:
今我々の中でアツいエリア。

山本さん:
池袋の北側。「奥池袋」!
北区の滝野川と生活圏が一体になっているんですよ。
すぐ近くのスーパーとか北区のだし。(くすのき荘は、豊島区上池袋)

安田さん:
そうね、最寄駅とかね。

山本さん:
区の境目を結構みんな行き来しているエリア。
そのエリアに、面白い人が住んで、自分の仕事を開いたりとか、お店を開く人とか。
僕らの活動「木賃文化ネットワーク」ってちょっと難しい名前なんですけど、そのネットワークする仲間たちがどんどん増えていくと、もっと街が面白くなっていくなっていう感じ。

安田さん:
素晴らしい。じゃあ、次に挑戦したい分野はなんですか?

山本さん:
いつか宿をやりたい。

安田さん:
街宿とか?

山本さん:
そう、街宿。まさに!
滝野川に稲荷湯っていう、築100年超の、オールドスタイルな、だけどすごい清潔感のある銭湯があって。
東京のローカルな生活がじわじわ染み出してくる。

安田さん:
テルマエ・ロマエのロケをやったりとか、割ともうロケとかを積極的に受け入れて、今をうまく生き抜く銭湯。

出典:せんとうとまち

山本さん:
稲荷湯さんと一緒に活動しているせんとうとまちっていう建築家集団がいるんです。
彼らが、その銭湯の元々くっついてる長屋があるんですけど、そこを今カフェというか、湯上がり処・休憩処にしていて。そこが日替わりでポップアップでお店が出せたり。

安田さん:
稲荷湯長屋、これは結構楽しいです。

山本さん:
かようびのおいなりさんとかが出店している。
せんとうとまちは、銭湯の建物だけじゃなくて、そのまちにはみ出ていって、銭湯を中心とした暮らしの文化を調査したりとか、レポートまとめたりとか、新聞にしたりとか。

安田さん:
廃業した銭湯の部材を使って、山車を作ってお祭りで引いて、みたいな。本物の銭湯の部品なんですよ。

山本さん:
金具とかついてるんです。


安田さん:
じゃあ、宿はいつぐらいまでにやれそうですか。

山本さん:
いやあ、いつですかね。僕がやるっていうよりは、僕と一緒にやるというか。

安田さん:
パートナー的な?

山本さん:
そうそう、滝野川とか上板橋エリアの仲間とか、カワダアヤさんとか。
まちの力をもっと高めていって、まさにポップアップラボさんたちがマップをまとめてくれてたのとか、そういうのをこう拾っていきながら、ここでの暮らしもそうだし、宿泊1週間とか3日なのかわかんないけど、それがどういう濃さとか、体験ができるかっていうのを掘り起こしていって。

安田さん:
そうね、宿があるとその人向けにまたいろんなプログラムが作りやすい。

山本さん:
そうですね。そういうのをやっていきたいですね。僕らの起点が風呂なしアパートだし。まちと繋がる暮らし方だったり、過ごし方みたいな。

安田さん:
そうね、池袋から近いからね。ハマれば絶対人気は出ると思う。
そんな山奥でやってるわけじゃないから、移動のストレスがないからね。

山本さん:
西巣鴨も楽しいですからね。西巣鴨も今、巣鴨湯っていう最高のサウナがあるんで。

安田さん:
そうね、リノベーションして。

山本さん:
そう、オールドスタイルの稲荷湯と、キマりたいサウナ・巣鴨湯。

安田さん:
クラシックアンド先進的。

山本さん:
ていう感じ。夢は、はい、そんな感じですけどね。
まちのお友達と一緒にインドまで行った話

菊野:
インドに行った話聞きたいですね。

安田さん:
インドね!去年インド一緒に行って、なんかそれこそまちの仲間と。11月平日に休みをとって。

菊野:
平日休んで海外まで行くって、結構仲良い。

山本さん:
カーンくんっていうインド人の知り合いが、親戚が結婚式あるんだけど、日本の友達に「行く?」みたいな誘っている話を近場で聞きつけて、「僕も行きたいんだけど」つって。
カーンくんと仲良かったんですけど、すっげえツーカーで仲いいかっていうと、そうでもなかったんだけど、そこでもう仲良くなって。

安田さん:
10日間ぐらい行ってたや。

山本さん:
結婚式縛りだから、平日行くしかない。

安田さん:
でも、自分でビザ取んなきゃいけないし、自分で飛行機取んなきゃいけないし。ビザは結構難しい。
質問項目が多いし、一時保存すると回答が変わるみたいなバグが。一時保存したら変わったやつをもう1回戻し・・・。

山本さん:
親の宗教を聞かれたりとか。

安田さん:
そうそう、なんだっけ。パキスタンに入国したことないよな?!みたいな。
仲悪い国に出入りしてるやつは目つけられるみたいな。

山本さん:
でも日本人は緩いっす。

安田さん:
日本人はそんな無茶しないから。

山本さん:
まあまあ、そんな感じで行ってまいりました。

安田さん:
いや、なかなか貴重な体験ですよ。1人じゃ怖くていけないし。
そのインド人の知り合いがまた親戚とかをサポートで呼んでくれたので、現地は全部日本語が喋れるインド人のアテンドだったので。
日本人だけで行ったら、多分カモられてるけど。
あらゆる場所と人に会いにいくことで、まちに馴染んでいく

まちのお友達:
最後に、山本さんと安田さんの馴れ初めは?

安田さん:
馴れ初めもくそもないから。

山本さん:
あ〜〜〜!!・・・・ないよね。

まちのお友達:
終わっちゃった(笑)

山本さん:
いやいや、でもね、僕の印象言っとくと、としま会議で僕が喋る時にたまたま安田さんが来てくれていて。
で、すぐメンバーになってくれたよね。

安田さん:
そのあとすぐ奥さんの話にも聞いて、あんまり活動しないけど会員になってもいいですか?って。

山本さん:
それもすごいなあというか、意外というかね、面白かった。

安田さん:
スパイなのでね。まちのスパイ。

山本さん:
他にも色々入ってたよね?RYOZAN PARKにも入ってた?

安田さん:
入ってた入ってた。何が起きてるのかを情報収集してたので。
おかげで今、各拠点の人と馴れ馴れしくさせていただいて。

山本さん:
うまいよね。入り込むのが。

安田さん:
あんまり色を付けすぎないようにね。練馬区民だし!
あとがき
山本さんの喫茶売店メリーのようにまちに開いている場や人に会いに行くと、ご近所さんが集まっているので、だんだんと見知った顔が増えていって、安田さんのようにどこへ行ってもいつも見る顔がいたりして。
いつの間にか自分の暮らすまちに見知った人が増えると、ただただ楽しくて、居心地がいいものだなあと、私自身としまエリアで暮らして感じるようになりました。
その仲間たちと一緒にあんなことできたらいいよね、もっと楽しそうだよね、やってみようか、あの場所ならできそうじゃない?なんてことが始まる場面がさらに増えていった先に、「もっとまちが面白くなる」のかなあと。
そんなわくわくを想像できる話を、山本さんと安田さんというご近所さんふたりから聞けたことが、今のとしまエリアの空気感を体感できたような臨場感があって、とても良い時間でした。

