「まちのインディーズ・レーベル」がコンセプトのポップアップスペース、ひがいけポンドでは、日替わりで色々なイベントが開催されています。
ひがいけポンドの立ち上げメンバーであり、コンセプトの生みの親で、今は運営を行なっている森正さんにインタビューしました!

オープンなイベントで場の認知度を広げて、個々のイベントに還元する

── UR主催の地域イベントも、いつもたくさんの人で賑わってますよね!
拡散と収束みたいなことがあると思っていて、これを使い分けるの大事だよねと、UR都市機構(以下、UR)といつも話しています。
UR主催のイベントは、基本的にはオールターゲット。例えば餅つきは、お子さん向けと言いつつも誰でも来られます。UR主催の季節イベントを通して、いろんな人にひがいけポンドに来てもらって接点を持つ。それが拡散。
そういった人たちが、ほかのポップアップ出店にも興味をもって、実際に行ったりする。これが収束。
個々の出店に還元するっていうのはすごく大事にしていて、逆に言うと、UR主催のパブリックなイベントをやっていなかったら、 おそらくもうちょっと、知る人ぞ知る場所になっていたんじゃないかと思います。
オープンとクローズ、両方の組み合わせで成り立ってるなっていうのを感じます。別に意識して、オープンです、クローズですとは言ってないんですけどね。
UR主催のイベントに関しては、間口を広げる役割としてなるべく開かれたものを。そして、その分ほかのポップアップではニッチなことなど、自由な発想でやってもらえたらなと。
── お客さんとしてふらっと来た人が、今度は出店する側にまわっていることもあるとか。
2025年の年始早々に「クナーファ」っていう中東のお菓子の出店をしてくれた男性の方がいるんですけど、ひがいけポンドの3周年イベントのときに来て、こういう場所があって出店もできると知ってみたいな感じで。

ちなみにその方は、ゆくゆくは大塚あたりに店舗を出したいという意向もあって、土地柄を知るために、この辺りを散策するなかで見つけてくれた。
だから、ニッチにいくときと、逆にオープンにいくときと、いろんな風景を1つの場所でつくっていくっていうのが、接点をつくる上で大事なのかなっていうのがここ数年での学びですね。
普段の自分の枠を、出店することで少しはみ出してみる
── 出店前に、出店者との面談の機会を設けているかと思うのですが、いつもどんなことを聞いているのでしょうか?
面談というとハードル高く感じたりするんですけれど、やろうと思ったきっかけとか、普段何してるかっていう、パーソナルストーリーをお聞きしています。
なるべく想いを持っている人と繋がりたいし、そういう人の方がやっぱりお客さんもいらっしゃったりするので。
施設の規約上、対応できないものに関してはお断りしているんですが、それ以外でお断りした例は、過去4年でもほんの一握りですね。
── ちなみに、こんな人はひがいけポンドに合っている、みたいなのはあるのでしょうか?
自分の枠をちょっとでもはみ出そうとしてる人が合っているのかなと。僕が言うのもおこがましいですけど。
いつかお店を出すみたいな大きい跳躍もすごいカッコいいと思いますし。平日は働いてるんだけど、土日だけちょっと違う自分になるみたいに、ちょっと普段の枠を出てみたいなとか。出る幅は全然関係なくて。
いずれにしても、まず自分で何かを形にしたいっていう熱意や気持ちを持ってる人っていうのが、ひがいけポンドに向いてるんじゃないかなと思いますね。
── そこのはみ出し具合が人それぞれでもいいよねっていうのは確かにいいですね
ひがいけポンドも4年目に入って、かなり認知されてきているなと感じています。
あるときは八百屋さんで、あるときはホットドッグを売っているみたいに、街の日常が、ちょっといろんなはみ出し方をしてるような場所がここなんですよね。
あとは、場の集客力が増えれば出店者にも還元されるので、場としての注目度も大事。だからカレンダーがけっこう肝なんですよね。


場所としての影響力を高めていくのも、場所を貸す側である自分たちの責任だと思うので。
続けるなかで、見えてくることもある
── これから出店を考えている人に、ぜひ一言お願いします!
最初の出店はご祝儀的に人が来ても、その後が続かないこともあるし、逆に最初は全然鳴かず飛ばずだったけど、続けていくうちにがっちりファンがついたりってこともありますし。
もし商売として広げていきたいのであれば、やっぱり続けるなかで見えてくるものがあるので、希望を持ってほしいんですよね。
もちろん、出店することが自分の日常の中でのケアになったり、楽しむためだけにやるのは、むしろウェルカムです。

あとは、チューニングは絶対に必要です。「たねベイク」とかもそうですけど、売り上げとか、何が売れてるのかに関してのチューニングをすごいちゃんとやってるんですよ。
仮説検証というか、毎回実験してるみたいな気持ちでやると長く続けられる。その実験自体を楽しめたら、絶対長く続く。やっぱり長くやってほしいですね。
その上で、撤退ラインを自分の中で決めておくというのも、ダラダラとやらないためには大事なのかなと思います。
── 仮説検証でいうと、自信がある企画ほどコケたりしますよね…
そうなんですよね。コケるし、コケた時のダメージもでかい。
例えばパン屋をやったとして、 パンがとにかく好きでたまらないのか、それとも「パン屋をやってる自分」みたいなものを得たくてやっているのか。
どちらもいいと思います。自分が本当のところ何を求めてやっているのか、目的意識がクリアになっていると、コケたとしても続けられる。もちろん曖昧でもいいですけどね。徐々に変わったりもするので。
そこから、本当にお店がおもしろいのであれば、それ相応のスタンスでやっていく必要があると思います。自分が何を本当に求めているかを掴んでいるかどうかで、続けるられるかどうかもだいぶ変わってくる。
でも、続けていれば絶対いいことがある。無理してやっていることは続かないので、自分が続けられるスタンスとスタイルを持って出店するのが1番いいですね。
あとがき
私もひがいけポンドで何度か出店したり、ほかの人の出店に遊びに行ったりするなかで、「こんなこともできるんだ!」「次はこんなこともやってみたい!」と、日常からのはみ出し方を少しずつ知っていったのかなと、改めて考えるきっかけになりました。
どんな人が運営しているかで、そこがどんな場所になるのか、どんな人が集まるのかはやっぱり変わってくると思います。
自身のキャリアで悩みつつも前に進んできた森正さん、彩良さんご夫妻だったからこそ、「まちのインディーズ・レーベル」として色々な人が日常をはみ出すきっかけになるような場所に、ひがいけポンドがなっていったのではないでしょうか。
ひがいけポンド
住所:東京都豊島区東池袋4-30-9
アクセス:東京メトロ有楽町線「東池袋駅」から徒歩5分ほど
Webサイト:https://higaike-pond.com/
Instagram:https://www.instagram.com/higaike_pond/


