自分が楽しめるお菓子を作る。洋菓子るぽの倉田さん

洋菓子るぽ

こんにちは!
ポップアップラボの菊野です!

これまでに、東池袋にある「ひがいけポンド」や、北区滝野川にある「滝野川フレイムス」を紹介させていただきました。

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今回は、それぞれの場所でポップアップ出店していた「洋菓子るぽ」の倉田さんにインタビューさせていただきました!

洋菓子るぽ
元レストランパティシエの倉田さんによる、店舗を持たない小さなお菓子屋さん。「るぽ」はフランス語の「repos = 休息、安らぎ」という意味。フランス菓子をメインに、体に優しいものなど材料にこだわったお菓子を作っています。
Web:https://www.patisserie-repos.net/
Instagram:@patisserie.repos

目次

洋菓子るぽを始めたきっかけ

菊野:まずは「洋菓子るぽ」をスタートするまでの経緯を教えていただきたいです!

洋菓子るぽ

倉田さん:元々お店をやりたくて。そもそも私、違う仕事をしてたんですよね。そこからバイトをしながら製菓学校に通って、パティシエになったんです。

いきなりお店をやる勇気はなかったので、パティシエとして就職して10年は修行して。色々なところを転々としましたけど、最後にいたのがレストランで、そこが結構長かったんですよね。

そろそろやりたいことは全部できたし、どうしようかなって。でも転職しても、結局同じような業態、同じようなポジションで、やることも同じになるし。

なんて思っていた頃にコロナが流行って。それで飲食店がやっぱり傾いてくるわけですよ。

ちょうどそういう時期だなと思って、そのとき働いていたお店を辞めようと決意して。それと同時に小さくてもいいから自分で何かをやってみようと思って、それで「洋菓子るぽ」を始めました。

洋菓子るぽのお菓子

菊野:ひがいけポンドは、どんなきっかけから出店するようになったんですか?

洋菓子るぽ

倉田さん:いきなりお店を構えるのは、ものすごくハードルが高いわけですよね。

どんなやり方ができるかを色々と模索していくなかで、コロナ禍だったからか、シェアキッチンを借りてマルシェとかネット販売とかする人も増えてたんですよ。

そういうやり方があるなと思って、最初はネット販売から始めたんです。工房だけのシェアキッチンを借りて。

そのときはバイトもしながらだったんですけど、これだと、どっちつかずになっちゃう、活動を広げていかないとって思って。バイトを辞めて、マルシェでの販売を始めて。

そのなかで、知り合いから声をかけてもらって、ひがいけポンドで合同でカフェ出店をして。カフェとして出店するのは、それが初めてだったんです。

洋菓子るぽの出店風景
洋菓子るぽの出店風景

出店仲間のチャレンジに触発される

菊野:合同出店は、「iama.(アイマ)」さんと「漢方茶cham cha」さんと一緒にでしたよね。知り合ったのはどういったきっかけだったんですか?

洋菓子るぽ

倉田さん:アイマさんと同じシェアキッチンだったんです。アイマさんは当時、マルシェにもたくさん出店していて。その繋がりもあって、私もマルシェに出るようになって。

それで、アイマさんは元々料理をされている方なんですけど、活動を広げていくなかでカフェを合同でやりたいって、声をかけてもらったんですよね。

ネットとマルシェで販売するぐらいしか当時は考えてなかったけれど、でも本来はやっぱり、その場で提供する方が私としてはしっくりくるというか。

合同出店の感触がすごく良くて。その日はめちゃくちゃ天気が悪かったんですよ。人通りも全然なくて。

「これお客さん来ないかも」って話していたけれど、知り合いとかが来てくれて、みんながゆっくりいい時間を過ごしてくれて。

店内の雰囲気もよくて、ちょっとカフェいいかもな、またやりたいなって思って、3人の合同出店を時々やるようになったんです。

なので当時は、マルシェをやりつつ、ネット販売もやりつつ、カフェも時々みたいな。

菊野:ひがいけポンドで、洋菓子るぽ単独で毎週金曜にレギュラーで出店するようになったのは、合同出店を何回か重ねてからですか?

洋菓子るぽ

倉田さん:そうですね。ワンオペは絶対に無理だと思っていたので、1人でカフェ営業はやるつもりなかったんです。

そんなときに、アイマさんが「1人で出店してみる」って言ってチャレンジしたときがあって。

それを見て、すごくいい刺激をもらいました。メニューを考えれば私もできるかもしれないって思って。

その頃はマルシェで売れないっていうのに悩んでいたのもあって「じゃあ1人でやってみよう」と、とりあえず1回出店してみて。

そこから月に1、2回のペースで出店するようになり、毎週金曜日に営業するようになりました。

菊野:チャレンジに触発されてというのが、素敵な関係性ですね!

洋菓子るぽ

倉田さん:本当にありがたいですね。アイマさんとチャムチャさんは、なんだかすごく気が合うというか。同じような境遇で出店を始めた人たちなので。

提供しているものも割と似ていて、ちょっと体に優しいものとか。だから話も合うし、仲良くしてもらっていて。年代は結構違うんですけどね。

毎週の出店をお休みすることにした理由とは?

菊野:ひがいけポンドで出店してみてどうでしたか?

洋菓子るぽ

倉田さん:ひがいけポンドって、元々コミュニティも結構しっかりしてるじゃないですか。最初からけっこう大勢の人が来てくれて。

それもあって、ここならできるかもっていう感覚もあり、出店回数を増やしていって。

それでレギュラー出店もやってみたんですけど、コミュニティがある程度できていると、やっぱりメリットとデメリットもそれぞれあって。

ちょうどコロナが収まって普通の生活に戻ってきたなかで、平日昼間の出店だったので、仕事で来れなくなっちゃう人もたくさんいて。

菊野:そうか、出社に戻った人も多かったからですかね。

洋菓子るぽ

倉田さん:そうです。それで、ひがいけポンド自体のコミュニティもやっぱり変わってくるわけです。

ひがいけポンドの前を通る人たちは、ご高齢の方とか、近くの大学の学生さんとか、ベビーカーでお子さんを連れたお母さんとかで、なかなかカフェ利用って難しくて。

生活が変わって、コミュニティも変わってきて、自分の出店の客層と多分マッチしないんだなと。

私としてはカフェである程度顧客をつくりたいのもあって長期でやってたんですが、このまま続けていても利用する人が増えることはないかもしれないなっていうのが見えてきて。

それもあって、レギュラー出店は1回ストップすることにしたんです。

菊野:それで、ひがいけポンドでの出店は今年の2025年3月で一区切りだったわけですね。

洋菓子るぽ

倉田さん:そうです。集客の流れをずっと見ていたんですけど、お客さんがどういう買い方をするかみたいなことは色々と試せて。

例えば、メニューの組み合わせをちょっと変えるだけで客単価も変わるので、それは地道に検証することができました。

洋菓子るぽのお菓子

色々と変えて試して、分析と改善を繰り返していた

菊野:「洋菓子るぽさんは、分析と改善がすごい!」と、ひがいけポンドの森正さんもおっしゃってて。

洋菓子るぽ

倉田さん:めっちゃ分析しました。それが面白くて。例えば松竹梅で価格帯をつくると、中間が売れるってよく言うじゃないですか。本当なのかなって試したら、やっぱりそうなって。

菊野:本当にそうなるんですね!

洋菓子るぽ

倉田さん:なりました。それを直に体験できたっていう。実際にお店を持ったら、そんな余裕は無くなってしまうかもしれないし。場所を借りて、長期で出店していたからこそ得られた経験です。

菊野:ひがいけポンドのほかに、滝野川フレイムスでも出店してましたよね。それぞれで違いとかはありましたか?

洋菓子るぽ

倉田さん:お客さんや客層も違っていたんですけれど、面白かったことがあって。

フレイムスの店頭だと、お菓子をたくさん並べられないので、大きなお皿を1つ置いて。お菓子が何種類かあるので、1個ずつお皿の上に並べて陳列して。オーダーをいただいたら裏にあるものをお出しするみたいな。

残りが何個かわからない状態で販売してたんですよね。

フレイムスに来るお客さんたちって、在庫の残り数はあまり気にしてなくて、「これを5個、これを3個」みたいに、自分の欲しい数をそのまま注文していく方が多かったです。

逆にひがいけポンドでは全部陳列してたんですが、そうすると残りが少なくなってきたら遠慮して買わなくなるっていう。なんかそういう意識が働くみたいで。

菊野:ラスイチを買うことに対しての遠慮みたいな。

洋菓子るぽ

倉田さん:多分そうなんだと思います。それをひがいけポンドでの出店で感じて。客層の違いもあるかもしれませんが、ちょっと人の心理みたいなものが垣間見れて面白かったです。

洋菓子るぽの今後の活動は?

菊野:ひがいけポンドや滝野川フレイムスでの出店で、検証結果が溜まってきた感じですかね?

洋菓子るぽ

倉田さん:検証できたことはたくさんあって、一方で場所が違うと、また変わってくると思うんです。

お店って色々なタイプがあって、コミュニティをつくるタイプのお店もあれば、そうじゃないお店も。

あんまりコミュニティで囲っちゃうと、初めての人が入りにくそうな雰囲気も出てきちゃう気がしていて、それはなくしたいんです。

1人でもふらっと立ち寄れて、1人の時間も楽しめるような。いわゆる普通のカフェですよね。そんなカフェを目指してるので。

あんまりコミュニティ色が出ないような場所、もうちょっと人通りがあるような場所とかでも、色々と試してみたいなと。

菊野:特定の人たちが集まる場所っていうよりは、色々な人が来れる場所みたいな。

洋菓子るぽ

倉田さん:そうです、その物に集まるというか。私が提供したいのはやっぱり、お菓子とコーヒーなので。お菓子を食べてコーヒーを飲みたい人がふらっと立ち寄るぐらいの。

ゆくゆくはお店をやりたいっていうのは当初からあるし、ひがいけポンドで出店してみて、やっぱりカフェがいいなっていうのも変わらなかったです。

とはいえ、お店を持ったら本当に集客で悩むんだろうなって。人通りが多い場所なら、家賃もそれに併せて高くなるだろうし、初期投資もあるし、気軽にはやっぱり飛び込めないなと悩んでいるところはありますが。

自分が楽しめるお菓子を作っていることが、継続の秘訣

菊野:洋菓子るぽで作っていきたいものは、最初から今に至るまでフランス菓子で変わらずですか?

洋菓子るぽ

倉田さん:フランス菓子をやりたいっていうのは変わらずで。焼き菓子だけじゃなくて、デザートとか生菓子もやりたいですね。

だから店名も “焼き菓子” ではなくて、”洋菓子” るぽにしたんです。フランス菓子をつくるのは多分変えないんだろうなと。

あとは、コーヒーが好きなので、コーヒーとスイーツみたいな感じでやりたいなと考えています。

菊野:お菓子をつくる上で、素材にもすごくこだわってますよね。

洋菓子るぽ

倉田さん:そこは、自分の中でコンセプトにしているところで。元々工場やケーキ屋さんで働いてるときに考えていたことがあって。

製品にするときに、例えば「北海道産小麦使用」とか言うじゃないですか。
それって小麦粉は北海道産を使うけれど、そこで原価が上がっちゃう分を下げるためにマーガリンを使ったり、他の材料を安いものにして原価の調整をするっていうことが、普通に行われているわけです。

小麦粉だけは良いものだけれど、他であまり体に良くないものが入ってるって思ったときに、作る側としてこれをずっと食べたいかといったら、あんまり食べたくはないよなと。

でも価格を抑えるためには、こうやって原価を下げるのは当然のことで、仕方のないことなんですよね。

そういった現状を見てきたからこそ、自分がお店をやるなら、全部納得のいく材料で作りたい。値段が高くなってしまっても自分がこれなら食べたいなって思えるものにしたいですね。

菊野:僕はクラフトビールのポップアップをしてますけれど、地元の素材を使ったビールみたいなのがあると、面白いなって思ったりしますね。

洋菓子るぽ

倉田さん:そういう素材がたまたま手に入って、お菓子に使えるとテンションが上がりますね。その時期だけのものとか、ちょっと珍しいものとか。

菊野:良い食材が手に入ったら、どんなお菓子にしようか考えたりとか。

洋菓子るぽ

倉田さん:そこが1番の醍醐味で、「こんなもの見つけちゃった、これを1番美味しくするには何がいいんだろう」っていうのを妄想する段階が、多分私の1番好きなところです。

お菓子を作るのが本当に楽しくて、それは変えないようにしようって。お客さんのためにってのは、それはそうなんですけれど、まずは自分が食べたいもの、自分が1番楽しめるものを。

お客さんがそれに共感してくれて、私も食べたいなって思う人におすそ分けするっていう、そういう気持ちでいようと思ってやってます。

お客さんに合わせようとしても、本当に人それぞれだし、好みもみんなバラバラだし。

菊野:確かにそれがある意味わかりやすいし、続けられる秘訣かもしれないですね。僕の場合だと、自分が飲みたいって思うビールを仕入れて、仮に残ったとても、自分で飲めるからラッキーくらいの気持ちでいるような。

洋菓子るぽ

倉田さん:ほんとそれなんですよ。ひがいけポンドで出店していたときも、「今日は全然お客さんが来ないかもしれない。作ったものが全部残ったとしても、私が食べて楽しめちゃうものにしよう」とメニューを組んでいたんですけれど、それが大事だったなと思います。

それで利益が出るかと言ったら、また別の話ではあるんですけれど、でも自分が楽しめるのはそれですね。

もちろん、そこにちゃんと利益や集客がついてくれば、最高なんですけど。

あとがき

ポップアップ出店って、継続するのがときに大変に感じることもあると思います。なぜ出店しているのか、どこに向かっているのか。

洋菓子るぽの倉田さんの言葉には、続けていく中で大切なことがたくさん詰まっているように感じました。

毎回の出店で、メニューの書き方だったり、商品の配置だったり「こうしてみたらどうだろう、何か変わったりするだろうか」と新しいことを試してみて、検証してみて、また試してみて。

その分析改善の過程を楽しめたのなら、それはとても最高なことだし、そこにしっかりと時間や労力をかけられるのも、ポップアップ出店のメリットなんだなと。

その上で、「自分が食べたいもの、作りたいものを作る」という、自分が一番楽しめるところがわかっているからこそ、それが継続の一番の原動力になるのかもしれません。

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