こんにちは!
ポップアップラボの菊野です!
都営新宿線・菊川駅の近くにあるオラ・ネウボーノは、「まちのフードコート」がコンセプト。
オラ・ネウボーノを運営している株式会社グランドレベルの大西さんにインタビューしました!
過去記事ではオラ・ネウボーノがどんな場所かも紹介しているので、あわせてご覧ください!

大西さんの普段のお仕事は?

菊野:まず最初に大西さんの普段のお仕事について教えていただきたいです!クリエイティブディレクター・設計デザイン・編集者とのことですが・・・

大西さん:いろいろあって、よくわからないですよね(笑)。
私は大学では建築設計を学んで、その後、建築やデザインのメディアをつくる仕事に携わっていました。2016年に、グランドレベルという会社で建築設計プロデュース業を始めて、3か所ある「喫茶ランドリー」と、今回取り上げていただいた、まちのフードコート「オラ・ネウボーノ」の運営も行っています。
色々な施設やまちづくりの案件が多いのですが、どのプロジェクトでも「ハード」「ソフト」「コミュニケーション」のデザインを同時に立ち上げていって、アクティブに使われていく場所をつくるのが得意な会社です。

オラ・ネウボーノが生まれた経緯と、名前の由来

菊野:オラ・ネウボーノが、どうしてこの名前になったんだろうと、まず気になりまして。

大西さん:そもそもこの建物は「ネウボーノ菊川II」という新築の子育て応援マンションなんです。管理人さんの代わりに2人の保育士さんがいる託児所が付いていて。
その1階のテナント区画に、喫茶ランドリーをつくってださいと、ネウボーノの事業者さんから依頼を受けたのがきっかけでした。でも、喫茶ランドリーは隣駅にあって一駅しか違わないから、最初はお断りしました。

それでも、街の人も、マンションの住人も来れるような場所をつくってほしいという想いを伺うなかで、それなら新しいものを発明しましょうっていうことで、最終的に3つシェアキッチンがある場所をつくらせていただくことになりました。
名前には色々案があったのですが、このマンションのことも知ってほしかったし、その1階にあるって意味も大きかったので、「ネウボーノ」はそのまま使うことにして。
それで弊社の代表(株式会社グランドレベルの代表・田中元子さん)が、ネウボーノに合う言葉を頭につけようと、スペイン語で「こんにちは」を意味する「オラ」をつけて「オラ・ネウボーノ」となりました。挨拶を交わす感じで良いでしょう?

菊野:たしかに語感も良いですね!調べてみたら、ネウボーノがフィンランド由来の言葉で、オラはスペイン語だったので。なんでなんだろうと思ってました。

大西さん:そこは田中のセンスで(笑)。
オラっていう、語感も含めて愛くるしくなるかなっていう。

菊野:そこから、オラネって略して呼ばれるようになって。

大西さん:そうですね。今ではみんな、「オラネ」って呼んでくれています。
なぜキッチンを3つに?

菊野:シェアキッチンが3つ同居しているのは珍しいですよね。

大西さん:多くのシェアキッチンは1つのところが多いと思うので、珍しいですよね。
面積が約100平米あるのですが、最初は2つキッチンを入れて、レンタルできる個室もつくってといった感じで検討がはじまりました。そのうちコーヒー、パン、料理と個性の異なる3つのキッチンはどうだろうと。
その上で、お店と客席がよりゆるくつながってしまうデザインがいいんじゃないかって。どこまでがどの店かわからなくて、そこかしこに客席があるような、あやふやな感じにしようって。
キッチンAはコーヒーメインだから、最小限の面積でカウンターテーブルに。
オーブンのあるキッチンBはお菓子やケーキを並べる時もあるし、その場で食べる時もあるだろうから、カウンターテーブルにハイチェアを付けて。
キッチンCはゆっくり食事がしたいから、テーブルの高さは下げて、常時座席を添えておくようにしました。


菊野:テーブルやキッチンの上の部分も曲線になっていて、各キッチンが繋がっているような感じがありますよね。


大西さん:全体の一体感がありながら、3つの店舗同士のコミュニケーションが起こりやすくなることを考えて、キッチンと客席、それぞれの店舗がつながるようにデザインしていました。
ハードのこだわりポイント

菊野:先ほどの話からつながるところもありますが、内装やハード部分でのこだわりポイントはありますか?

大西さん:例えば、3つのお店をパキっと区切らないために、床の模様の切れ目が互いのキッチンを跨いで干渉していたり、各キッチンの垂れ壁の色を少しずつ変化させるようにしたり。

その辺の微調整をずっと、1つひとつ考えてたんですよね。


菊野:細かいところに、とてもこだわっているんですね!

大西さん:やっぱりね、利用者の手垢が残っていくような楽しげな空間にしたかったので。
オラ・ネウボーノでは、どんな人が出店してる?

菊野:上のマンションに住んでいる人も出店されているんでしょうか?

大西さん:最初のころは全然いなくて。最初は近くに住む人が半分、あとは割と遠くから電車に乗ってきてくれる人が出店していて。
オープンから半年経ったころ、上に引っ越してきた人が出店したいですって。今はお二人が別の曜日にコーヒー屋さんをやってくださっています。
「おおー!ついにそうなったか!」って、嬉しかったです。

菊野:オープンして少し経ってから、出店者にも幅が出てきた感じですかね。

大西さん:ここを好きになってくれる人に出店してほしいので、大々的に告知はしていません。
偶然出会ったり、人づてに聞いてやってきたりして、そのときにいる出店者の雰囲気や空間を気に入ってくれて、やってみようと思ってくださる方が増えていって、本当にいろんな方が出店してくださっています。
印象に残っている、オラネの使い方

菊野:この使い方は想定外だったぞ!みたいなことはありましたか?

大西さん:少し前からね、キッチンBで料理教室をやってくださっている方がいて。
覗いたら、キッチン内の作業台をパティシエの格好をした子どもたちが囲んでいて、お菓子作りを学んでるんですね。
キッチンをのぞき込むようにカウンター席にお母さんたちがドキドキしながら並んでるんです。素敵な光景でした。
ある夜は、キッチンAのコーヒースタンドがDJブースになっていて、奥のうどん屋さんにもウェルカムな感じで。パンチがあっておもしろかった。

菊野:コーヒースタンドをDJブースとして使ったんですね!

大西さん:あとは、3つのキッチンがあることを活かして、全体をレンタルして出店者をディレクションしてスペシャルな日をつくってくれたり。
少し前は、「コーヒーペアリングマルシェ」と称して、墨田区のコーヒー店10店舗と、オラ・ネウボーノに普段出店しているスイーツ系の方を中心にフードが5店舗出店するイベントに使われたり。
あぁ、新しいカルチャーってこうしてはじまるんだろうなと。
お客さんは、どんな人が来る?

菊野:お客さんとしては、近くに住んでいる人が多いんでしょうか。

大西さん:近くの方々がほとんどですね。地域の人が「今日は何があるのかな?」って来てくれています。
このエリアはご飯を食べられるところが少ないので、おにぎりとかカレーとか、ラーメンとか、わかりやすいメニューを展開していると、集客しやすい傾向はあると思います。

出店者同士のコミュニケーションも楽しめる場所

菊野:オラ・ネウボーノに来ると、まず出店者同士が仲良さそうだなって感じることが多くて。
別々の出店でも時間帯がかぶるから、そこで必然的に話すことになるっていうのもありそうだなと思いまして。

大西さん:この前、今までの出店者を数えたんですよ。そしたら、既に60組を超えていて。
もちろん、上手く売上を伸ばせる人、まったく伸びない人、この場所に合う人、合わない人がいます。
そのなかでも、他の出店者との関わりそのものを純粋に楽しめる人は、長く出店し続けてくださる傾向にあります。

菊野:やっぱり、合う人や合わない人がいるんですかね?

大西さん:もちろん、自分がつくったフード、商品が売れることの喜びはあると思います。
けど、その上で出店者同士の、あるいはお客さんとの、ちょっとしたスモールトークに喜びを感じられる人、そういう新しい人との関係が増えていくことを楽しめる人は合っているかもしれない。
次はどんな人に会えるんだろうって楽しめる感じ。新しい出店者は随時増えていくので、長く出店していても、初めての出店者と会って、そこから一緒に別の新しいことが始まったりもしています。そういうことがオーナーとしては、もうひとつ嬉しいことでもあります。

出店者との関わりで大事にしていること

菊野:大西さんが、出店する人との関わりで大切にしていることがあれば教えていただきたいです!

大西さん:できるだけ誰でもチャレンジしてほしいと思っています。出店希望の人たちの話を色々聞いてくと、出店を断られるシェアキッチンとかもあるみたいで。
もちろん、誰でもどうぞっていうスタンスはありながら。やり始めると、ちゃんと掃除できない人とか、それじゃあ無理だよみたいな人もいるんだけど。
とはいえ、誰でも平等にチャンスがある場所、誰でもできる場所でいたいなという想いは変わりません。店先のデザインでも、インスタの使い方でも、フードそのもののことでも、サポートできる部分は全力でサポートしています。単なる場所貸しになるとつまんないですからね。

菊野:出店までの流れのなかに面談がありますが、面談ではどういうことをお話しするんですか?

大西さん:特段、なにも話さないかも(笑)。人となりを見るだけです。
サポートするって言いましたが、この人はどこまでできて、逆にどの辺は苦手とか。デザインが苦手だったら、ちょっと手伝ってあげようとか。インスタやったことないとかだったら、教えてあげようかなとか。あえて見るとしたら、そういうところでしょうか。
パーフェクトな人だったらもう全然いけいけって感じだし、みんなバラバラですからね。

菊野:その人その人の状況やスキルに応じてサポートしてもらえるのはありがたいですね!


大西さん:そう、それでね、話がちょっと移っちゃうんだけど。
実際3つもキッチンがあると、運営としては大変なこともあって、僕らも最初の半年は、べったり朝からここにいることが多かったんです。だけど、あるときからだんだん離れようというフェーズに入ったの。
ある日「カリーキャラバン」という、作文をするとフリーでカレーが食べられるって変わったお店の出店があって。その日は朝から最後まで、我々運営サイドの人が誰もいなかったのね。
で、心配でもあったから、夕方少しだけ顔を出したら。
「大西さん!今日、誰も来てくれなかったじゃん!」って。
なにか言われるのかなと思ったら、「いや、それが良かったよ。なんか俺の店みたい。朝来て、自分で電気つけて準備して、仕込みして、オープンして。自分の店感が出てきた」って言われて、めっちゃ嬉しくて。
そうやって出店者それぞれが自走しはじめてきたので、また楽しいフェーズにこれから入っていきそうです。みんなで運営していく感がより出てきそう。
出店を考えている人へのメッセージ

菊野:出店を考えている人に、ぜひメッセージをお願いします!

大西さん:運営や経営目線だと、平日のランチやケーキとかパンとか焼き菓子なんかををやってくれる人が、もうちょっと来てくれたら嬉しいなっていうのはあるんだけど。
今まで話してきたような、出店者同士の出会いとか、この施設おもしろそうだな、楽しそうだなって思ってくれる人が来てくれたら嬉しいです。
もし気になった方がいたら、週末にでも遊びにいらしてください。そして、チャレンジしたいって思ったら、気軽に相談して欲しいなって思ってます。

あとがき
キッチンが3つあること。そのユニークさに目がいきがちですが、なぜ3つにしたのか、その想いであったり、3つあるから生まれたつながりもとてもおもしろかったです。
今後、どんなワクワクが生まれていくのか。オラ・ネウボーノのこれからに、ますます目が離せなくなりました!
オラ・ネウボーノ
住所:東京都墨田区立川4-7-9 ネウボーノ菊川2 三ツ目通り沿い 1階
アクセス:都営新宿線「菊川駅」A3出口から徒歩3分ほど
Web:https://kissalaundry.com/holaneuvono/
Instagram:https://www.instagram.com/hola_neuvono/
EDITOR:菊野泰斗
PHOTOGRAPHER:風香

