自分たちが作りたいものを、まずやってみる場所。ひがいけポンド運営の森正祐紀さんインタビュー前編

「まちのインディーズ・レーベル」がコンセプトのポップアップスペース、ひがいけポンドは、たくさんの人が日常からはみ出して、新しいことに挑戦する後押しをしている場所です。

そんなひがいけポンドの立ち上げメンバーであり、コンセプトの生みの親で、今は運営を行なっている森正祐紀さんにインタビューしました!

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目次

自分が住んでいる街で、当事者として地域コミュニティをつくる

── ひがいけポンドに携わることになった経緯を教えてください。

僕はどちらかというと、乗っかった側なんですねよ。

妻の彩良が建築設計事務所に勤めていたときに、横浜の郊外で、いわゆる街づくりの仕事をしていたんですね。ひがいけポンドと似たような、地域の交流拠点のコミュニティマネージャーみたいなことをやっていました。

UR都市機構(以下、UR)が東池袋の物件(現、ひがいけポンド)活用プロジェクトの運営パートナーを公募していたとき、妻からプロジェクトの存在を聞きました。

コミュニティマネージャーをするなかで彩良が常に抱えてた悩みがあって、自分の住んでいない街のコミュニティを扱うのって、どうしても当事者じゃない。仕事でやっていると、なかなか没入できなかったり、どこかで他人事みたいな節があって、そのギャップに悩んでいて。

だから、自分が住んでいる町で、当事者として地域コミュニティをつくっていくみたいなことがしたいなって、ずっと思ってたんですよね。

ひがいけポンドの公募のことを知ったとき、自分がコミュニティマネジメントとか場づくりをするんだったら、街の住人として当事者になった上でやってみたいっていうのを叶えようと、見切り発車で完全GOが出る前に東池袋に引っ越してきたんです。

ひがいけポンドがオープンしたばかりの頃の風景

ほかの拠点と少し違うのは、建物のオーナーはURだけど、URから委託を受けてやっているところ。オーナーの方がこの指とまれでやっている場所も多いと思うんですけど、ひがいけポンドに関しては僕がクライアントワークのように運営に携わっている。

クライアントワークなのに、自社事業ばりのコミットをしながらやってきたていう、ちょっと不思議な関係。クライアントであるURの課題に応えるためにやってるけれど、自費も投じながらやっている。 ちょっと特殊な形なんですよ。

まず自分たちが楽しんで、その結果として街が盛り上がったらいい

── ひがいけポンドの「まちのインディーズ・レーベル」というコンセプトは、どんな経緯で生まれたのでしょうか?

日吉の居酒屋で飲みながら、どういうことをしたいのかを2人で深掘りしていたときに思い付いたんです。 

正面からパブリックをうたうというよりは、あくまでカジュアルに。自分の好きなことを色々とやったその結果として街が盛り上がっていったりとか、繋がりができたりしたらいいなと。

自分たちが作りたいものをまずは作ってやってみる、そういう場所が必要だよね、なんて話しているときに「インディーズ」って言葉が浮かんできて。

自主制作のことをインディーズって言うんですけど、つまりは街にとってのインディーズレーベルだよねと。それだそれだ!と膝を打つ瞬間があった。 

そこにUR都市機構の想いも組み合わせていって、今のかたちになりました。

BOOKS AND GOODS

最初の一歩を踏み出すのにちょうど良い場所

── ひがいけポンドでは、どんな人が出店していますか?

少し前までは、やっぱり豊島区や隣接区の練馬や板橋の人の出店が多かったんですけど、今は場所を問わずですね。

1番遠いところで、石川のかき氷屋さんだったり、あとは山梨のフルーツ屋さんだったりと、遠方からわざわざ来てくれて出店する人も増えてます。

── それぞれの出店内容にけっこう幅がありますよね!

出店の種類もかなり幅が広がっていますね。初期はコーヒーとかお酒を出す出店が多かったんですけど、それが一気に多彩になりました。

例えば、 オーダーメイドの革靴を作ってる靴屋さんとか、服飾系の学生の発表会兼販売会とか。あとはZINEですね。ZINEや本のマルシェなども。いろんな業種というか、種類の人が増えましたね。

ひがいけポンドでの出店風景

ほかにも、チョコミント専門店とか、キノコモチーフの作品をつくっている作家さんのキノコアートの展示みたいなこと。驚くほど出店が多彩になってきています。

── 幅広い出店内容を受け入れられるのも、ひがいけポンドのスペースとしての魅力なのかなと思っています。

ハードに恵まれてるっていうのはありますね。ひがいけポンドには、ガレージとキッチンという2面があります。

ガレージスペースのテーブルや椅子は、配置は自由に動かせる。
大きなカウンターが印象的なキッチンスペース。

ワークショップとか色々な活動を受け止める場所としてカレージがあるし、キッチンもだいぶ備品は揃ってる方だと思うので、着の身着のままで出店できます。飲食もやりやすいし、キッチンを使わず非飲食でもやりやすい。

あと、菓子製造業許可も取っているので、菓子製造のみで利用する方もいたりします。

まちのインディーズ・レーベル的に、ちょっと何か自主でやってみたいなっていう人が、最初の1歩を踏み出す分にはちょうどいいと思います。

ほかの出店を見に来ると、エリア特性がわかってくる

── お客さんとしてひがいけポンドに訪れるのは、どんな人が多いのでしょうか?

エリア特性で言うと、若いファミリーが多いですね。

お餅つきや、縁日のときは、未就学児や小学校中学年ぐらいまでのお子さんがいらっしゃる家族がボリュームゾーンだなっていう印象があります。

オープンした当初は、新しいものをおもしろがる20代の若い人たちが多かったんですけど、「こんな場所があるよ」と徐々に地域に浸透して、ファミリーの人たちも増えてきました。

おもしろかったのは、餅つきイベントのときに福引をしたんですよ。普段出店している人に福引の景品を用意してもらったんですけど、「洋菓子るぽ」の景品が当たった人がもう口を揃えて、「ああ、ルポさんだ、やった!」と話していました。

ひがいけポンドでの出店風景(洋菓子るぽ)
洋菓子るぽは、素材にこだわった週替わりのデザートとコーヒーが楽しめる、お菓子屋さんのカフェ。
ひがいけポンドでの出店風景(洋菓子るぽ)

すでに洋菓子るぽを認知していて、しかも食べたことがあるという感じの主婦さんが当ててたんです。みんなけっこう来てるのがわかりました。

エリア特性を踏まえた出店というのはやっぱり重要で、例えば「和酒味合」はけっこう上手くて、2部制なんですよね。昼間は子供向けに脱穀体験とか、バター作りとか、食育的なことをやっていて。

夜はもうちょっと、仲間内や知人だったり、より密なお酒のイベントみたいな感じで。広げるのと狭めるのとを、昼夜で分けて両方やっているのが上手いなと思いますね。

1日貸しっていう場所はあんまりないと思うので、そこを最大限活かしてほしいなとは思います。

エリア特性を知るには、出店したいと思っている場所の、ほかの出店をいっぱい見に来るっていうのが一番わかりやすいですよね。

あとがき

前編では、ひがいけポンドが生まれるまでの経緯や、近くにどんな人が住んでいるかなどをお聞きしました。

後編では、ひがいけポンドでの日々の出店をさらに深掘りしていきますので、ぜひそちらもご覧ください!

基本情報
ひがいけポンド
住所:東京都豊島区東池袋4-30-9
アクセス:東京メトロ有楽町線「東池袋駅」から徒歩5分ほど
Webサイト:https://higaike-pond.com/
Instagram:https://www.instagram.com/higaike_pond/

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