こんにちは!
ポップアップラボの菊野です!
6/7に池袋東口グリーン大通りで行われたマーケットイベント「IKEBUKURO LIVING LOOP」で、「ポップアップトーク」を開催しました。
ポップアップとは、間借りやシェアキッチンなどで出店することですが、今の自分の生活から、何か理想を叶えるべく、はみ出して活動してみることも、それもまたポップアップ。
グリーン大通りのど真ん中にちゃぶ台を置いて、何かチャレンジしている人、そんな人たちを応援する人、応援できる場所を持っている人たちをゲストとしてお呼びし、普段の活動など聞いていきます。

今回のゲストは、日神山さんとなみちゃんのお二人です。
池袋を拠点に空間デザイナーとして活動し、シーナと一平やKoGe東長崎など、様々な場所に携わっている日神山さん。

シーナと一平は、池袋から西武池袋線で1駅、椎名町の商店街にあって、元は「とんかつ一平」というお店だったところをリノベーションした街宿とシェアキッチンです。
そんなシーナと一平でアルバイトとして働いているなみちゃんは、サンカクシャという若者の社会参画を応援するNPO法人でも働いていたり、逆スナックという出店をしていたりと、様々な分野で活動中。

二人が口を揃えて話していたのは、まずは色んな街のイベントに参加して、足を動かすことの大切さ。
では、二人が街に飛び出すきっかけはなんだったのか、日々の仕事や活動の中で大切にしていることなど、ざっくばらんに聞いちゃいました!
同じくポップアップラボメンバーの風香さんと、日神山さんやなみちゃんと話しに来た、安田さんをはじめとした街のお友達と一緒にお届けします!
日神山さんが椎名町に住み始めたきっかけは?

風香:日神山さんはいつ頃から椎名町に住み始めたんですか?

日神山さん:椎名町に住んで12年とかだと思うんですよね。その前は日暮里、西日暮里あたりに住んでいて。
そろそろ引っ越したいなと探していたらいくつか候補が見つかって。一番良いなと思った物件が東長崎と椎名町の間にあって、そこに設計事務所兼住居として引っ越して。
独身だし、ちょっといいとこ、ちょっと広めのところに住みたいなと思って椎名町に来たのが運の尽きって感じなんだけど。

安田さん:尽きちゃダメでしょ(笑)

日神山さん:独身だし、日神山内装としてお店の設計の仕事をして食べてはいけてるけれど、それだけだと面白くないし。何かやってみたいなって思って、たまたま椎名町に引っ越してきた。
つまらない状態から抜け出したくて、色んなイベントに顔を出していた

風香:椎名町の雰囲気とか印象は、最初はどう感じてました?

日神山さん:僕が住み始めたときは、シャッターの閉まったお店が多かった印象なの。とんかつ一平(今のシーナと一平)はもちろん閉まってたし。

風香:そうだったんですね!今の椎名町がお店も多くて賑わっている印象なので。
豊島区の店舗の設計に関わる機会も多いと思うんですけど、椎名町に引っ越してきてから今に至るまでで、街との繋がりはどう築いてきたんですか?

日神山さん:よく話すんだけど、店舗の設計者なんて、ほぼ街にいないに等しいくて。「このカフェ誰が設計したんだろう?」ってならないじゃないですか。
だから設計者って、自分の設計した店舗はあるんだけど、街にあんまり存在してないんです。
街の何者でもないような感じがあって。このままやっていくのかなと考えると、「あ、つまんないな」みたいな感覚があって。
それで、その頃はもうとにかく手当たり次第、いろんなイベントに顔を出してました。

風香:フリーランスかけ出しの頃とかですか?

日神山さん:親の会社を継いだ後だったから、一応は会社の代表なんだけど、周りから見たらほぼフリーランスにしか見えなかったと思う。
チェーン店の設計とかはしてるから、なんとか食えてはいるんだけど、別に何者でもない人。
埼玉で生まれて、岡山の県北の山奥で育って。大学が筑波で、そのまま茨城で働き始めて、さらに大阪に移ってと、かなり転々としてたから。
どこかに根付いて、何かをやったっていう経験があまりないわけ。

風香:イベントに参加しまくっていたのは、「なんだかつまらない」があったから?

日神山さん:そう、つまらない状態から抜け出せるきっかけがないかなと思って、とりあえずいろんなものに顔出してみようと。
そうしたら、リノベーションスクールがあるよって教えてもらって、参加してみて。
リノベーションスクール(通称リノスク)
街に実際に存在する、空き家や空き店舗などを対象に、民間プレイヤー、不動産オーナー、行政職員の3者でその活用方法を考える3日間の実践型スクール。スクールでの提案内容が実際に事業化されることもあり、「シーナと一平」もリノスクでの提案から実際に事業化された。

風香:リノスクに参加して、今のシーナと一平の物件に出会って?

日神山さん:そう。たまたま、その物件のユニットに入って、やることになっちゃって(笑)
8人ぐらいのユニットで、僕が2番目に年上で、あとはもう20代とかだったから。リノスクのなかで提案した内容を実際に事業化しようって話になったとき、社会人になりたての人が起業しますってわけにもいかなくて。
そうすると動けるのは僕らだよねってところから、少しずつ資金を出してやろうかと。椎名町が地元の人も加えて最強のメンバーにして。

安田さん:それまでは、としま会議とか、それこそいろんなところに顔出して?
としま会議
豊島区で活動する、まちのオモシロい人たちが集まるトークライブ&パーティー。毎回4人ほどの方がゲストとしてトークライブを行った後で、ゲストと参加者が混ざってご飯と食べながら話す時間がある。

日神山さん:そう。とにかく顔を出してたんです。やっぱり結局、人って接触回数で距離感が縮まってく。

リノベーションスクールと、としま会議で人生が変わった話

安田さん:奥さんとは、どこで出会ったの?

日神山さん:ルイ(日神山さんの奥さん)は、リノベーションスクールの別ユニットのメンバーだったの。

安田さん:そうなんだ、リノスクで人生変わっちゃってるじゃないですか。

日神山さん:リノスクの2泊3日中、他のユニットと絡むような時間の余裕はないから、ルイがいるのは知らなくて。ただ僕が最後のプレゼンで話したから、向こうは喋ってた人として認識してたみたい。
それで、ちょうど10年前ぐらいのとしま会議に参加したとき、僕が到着がちょっと遅くなって。たいていソファ席が空いてるんですよ。しょうがないから座らざるを得なくて。
その日はルイも遅れて来ていて、僕の横に座ったのが、最初の会話。

なみちゃん:ドラマティック!

安田さん:なにそれ!楽しそうだな!

日神山さん:最近Facebookの「10年前の投稿」で、その日のとしま会議の内容が出てきて、同時に「ルイさんと友達になりました」って。この日に知り合ったんだって。
そう考えると、リノベーションスクールとかとしま会議で、めちゃくちゃ人生が変わってるし、僕が一番得してると思います(笑)

風香:イベントに参加する中で大切にしていたこととかってありますか?

日神山さん:参加するからには、自分が得するようになりたいなっていて。その上で、あとはもう縁と運とタイミング。
色々と顔を出したり、ちょこちょこと何かやってみたりっていう中で、縁とか流れみたいなものがフワッてやってきたりして。タイミングの掴み方がわかってくると、流れがこう、どんどん転がってくるのが見えてくる。

風香:そんなふうに思ってきたのも、リノスク前後ぐらいですか?

日神山さん:いや、まだその時は流れが来たような感じはなくて。なんなら最近の3年ぐらいで感じたかな。
コロナもあって、がむしゃら時期みたいな、目の前のことしか考えられない時期があったんだけど。コロナが落ち着いてから、なんだか回収してきたというか。
今まで築いてきた関係がこういう風に繋がって、こういう風に仕事になるんだみたいなことが、この3年くらいで顕著に現れて。
なみちゃんから見て、椎名町はどんな街?

日神山さん:椎名町に降り立ってみてどう?

なみちゃん:池袋から1駅じゃないですか。すぐ都会に出れるのに、すごい下町っぽい感じ。
実家が名古屋で、結局都会なんですよ。だから、よく行くお店の店主と仲が良いみたいな経験とかあんまりないですけど。椎名町は何回か行ったら、おばあちゃんが顔を覚えてくれて。

日神山さん:すごい可愛がられてるの。買うより貰ってる方が多いんじゃないみたいな(笑)

なみちゃん:むろやさんっていうお惣菜屋さんなんですけれど、たまたま行ってみたら、おばあちゃんがめっちゃ良い人で、すごい可愛がってくれて。

日神山さん:僕も行くたびに、「なみちゃんみたいな良い子、どうやって見つけたの」って言われる。

なみちゃん:この前、LINE交換して。

日神山さん:そう、おばちゃんと連絡先交換してるの。

なみちゃん:「たけのこご飯を炊きました。取りにこれますか?」ってこの前連絡が来ました。「行きます!」みたいな。

日神山さん:すごい、田舎の近所付き合いが発生している(笑)。そういうのがね、残ってるのがいいよね。

なみちゃん:毎週バイトがある日のお昼ご飯は、「林檎と紅茶と」に行ってお菓子を調達して、むろやさんでお惣菜を調達するっていうのが定番ですね。

日神山さん:何かのタイミングでバイトお休みだった後に行くと、「どうしたの、今週来なかったよ、働かせすぎなんじゃない?」ってすごい言われる。
でも、めちゃくちゃ良い人たちでばかりの街で、なみちゃんもそういう風に楽しんで過ごしてくれてるのかなって。

なみちゃん:椎名町は働きに行く場所ではあるけど、あんまりそういう感覚もなく、知ってる人に会いに行くみたいな感覚が強い。

日神山さん:宿って、やることはめちゃくちゃハードなんだけど、日によっては早く終わって時間が空いたりもするから。そういう時間をちゃんと楽しんでるのが素敵だなって。
原動力は、街の友達と楽しく、なるべく幸せにいたいから

風香:なみちゃんって、何をするにも全力って印象がある。

日神山さん:出せるものをちゃんと出すというスタンスかなって感じてる。

なみちゃん:出すっていうか、出ちゃうっていうか。

日神山さん:これでいいやっていう力の抜き方をするタイプじゃなくて、できることは全部やる。出し惜しみしない。
でも、そういうところで人の信頼を得ていると感じているけれど、自分ではどう思ってるの?

なみちゃん:自分としては、その自覚はあまりないんですけれど、色んな人にお世話になっている感覚はすごいいっぱいある。
この2年ぐらい、豊島区で色々とやらせてもらって。仕事もそうだし、場所を貸してもらうのもそうだし、イベントに呼んでもらうのもそうだし。
いろんな人にいっぱい優しくしてもらってるから、それを無駄にはしたくないなって思いかもしれないですね。そういう人たちと一緒に、なるべく幸せにいたいみたいな。

日神山さん:物事をうまくいかせる方法を考えたいっていう、ポジティブさを持ってる。
そのためには、ここでこの人と話しておいたらいいなとか、こういう手を打っといた方がいいってのを、すごく一生懸命に考えてやる人だと思う。

なみちゃん:嬉しいです。関わる人がどんどん増えて、友達って呼べる人が増えていくと、どこかに行くと街の友達と会うことも多くて。
そんな友達となるべく楽しく過ごしたいなって思うし、友達同士が楽しく過ごせる場所になるといいなと、どこの場所でも思っているかもしれないですね。

風香:身近なところでの、友達想いの延長で動いているのが、結構すごいなって。

日神山さん:無視できたり溺れたりしてもいいような内容をちゃんと拾おうとする、律儀さと真面目さがある。見なかったことにできないから、その分壁にぶち当たったりもしてるけれど。
結果的に、背負うというか、やらなくちゃみたいなことも無くはないんだけど。それはみんなわかってるから、何か手伝いたいと思うし、なみちゃんがやりたいと思うことを手伝ってあげたいなって思える。

なみちゃん:ありがたい。でもほんと、場所を持って、守ってくれている人がいっぱいいるなとも思っていて。
そういう人がいるから、私はそこを使わせてもらえるし、新しい人にも出会えるし。

日神山さん:すごいポップアップラボの話っぽくなってきた。
小さな成功体験を積み上げると、自信が醸成されていく

日神山さん:さっきのなみちゃんの話のように思ってくれるのって嬉しくて、場所をつくって守るって結構大変で。いろんなことが起きるから。

なみちゃん:場所を持っている人は本当にすごい。何か意思とかが無いと、自分が意図しない方向にその場が育っちゃう感じもあるので。
自分がつくりたい場にしていくために、誰でも受け入れるわけじゃないっていうのを、それぞれの場所で感じていて。

日神山さん:良いバリアを張らないと守れないものもある。排除するわけではなくて、ここは私の場所ではないって思う人がいてもいいよねと。一平には一平の空気があるし、他の場所には他の場所の空気がある。
その場所が大事にしていることは、雰囲気として見えるようにする必要はあって。
例えば一平だと、「なんだかよくわかんないけど、面白そうなことが起きる場所」っていう空気だけは常に纏わせたいなと思っていて。
そうしていると、「こういうことができるんだったら、私はこんなことをやってみたい」って言いやすくなるし、「やってみない?」って僕の方から声もかけやすくなる。
この人はこういう才能があって、でも世にあまり見えてないっていうのがすごくあって。色んな人に可能性があるからこそ、何かしらの形で世に見えればいいなとか。
そういう才能って街にいっぱい隠れてる。それってもう趣味のレベルじゃないじゃん。十分商売になるじゃんって。
でも、大体の人が自信がない。なんなら僕も自信がないけど。

風香:私も、自信があるって状態まではまだ辿り着いてないですね。

日神山さん:小さな成功体験を積み上げて自信を醸成していくしか、もう手がないわけ。ちっちゃく積み上げる。
積み上げてほしいなと思って、色んな場所をつくってる感じはある。

なみちゃん:逆スナックとか、2年ぐらい色々とやらせてもらって。最初は自信がないというか、むしろマイナスぐらいからスタートして。でもここ数ヶ月で、ようやくちょっと自信が出てきたなって思って。
逆スナック
お客さんがママにお悩み相談をするような普通のスナックとは逆で、お客さんがスナックマスターの悩みを聴くイベント。
なんでだろうって振り返ると、ちっちゃく行動をしてきていて。ポップアップを月に1回とか、多いときは週1回とか。シーナと一平でもやらせてもらったし。
大変だったけど、色んな場所で何回もやったっていう事実がちゃんとあるから、それが自信になったなって最近感じ始めて。
ここまでやってきたから、これはできるとか、違うことを頑張ってみようかって、ここ数ヶ月でようやく思えるようになってきて。2年でめちゃめちゃ濃い経験をさせてもらった。

日神山さん:仕掛けたからだよね。降ってきたものだけじゃない。ちゃんと自分で考えて、悩んで、反省をして。やったことに対して、そういうのを繰り返したからじゃないかな。

なみちゃん:そうですね。あとは、1人じゃなかったのも良かったですね。伊東くんっていう一緒にやるパートナーがいたから、一緒に悩みながらできた。

日神山さん:一平で逆スナックをやったとき、終わったら当然打ち上げに行くもんだと思ったら、反省会を12時過ぎまでしてるわけですよ。僕たちが飲んで帰ってきたら、まだやってるの。

なみちゃん:そんなこともありましたね(笑)
逆スナックが大体夜の9時とか10時に終わって、その後は毎回1時間くらい反省会をしてました。その日は、日神山さんが飲んで帰ってきてから、日神山さんも交えて延長線。

風香:何をそんなに話すの?

なみちゃん:例えばその日の雰囲気とか。あの時、あの人がこう話しててとか。

日神山さん:ここで場を分けておけば、こういう風に会話できたのにとか。こういう混ぜ方をしちゃったからうまくいかなかったみたいな反省会をずっとしてて。嘘でしょって(笑)

なみちゃん:人の配置とか、このタイミングでカウンターから出ちゃった方が良かったんじゃないとか、オーダーを誰かに任せた方が良かったとか。

日神山さん:逆スナックをやる場所が毎回違うから、そんな話も毎回してるんだと思うと、すげーなこいつらって。私はびっくりいたしました。
それと同時に、そういうのも含めて可愛いなってやっぱ思うんで。来てもらった人に少しでも何か持って帰ってもらうようにしようって。

なみちゃん:あんまりこういう裏話、しないですね。

日神山さん:自分からは言いにくいじゃん。だから僕が言ってる(笑)
そういう想いを持ってやってるんだよって、知ってもらいたいじゃん。下手したら、逆スナックっていう活動の上辺だけを切り取られて、なんか金になりそうだなみたいなとこだけ見られたりするけど。
だけど実は、それくらい丁寧にやってるからこそ、意味があるんだよって。

なみちゃん:そう言ってもらえて、ありがたいです。

何かに出会えるかもしれないし、出会えないかもしれないけれど、とにかく足を動かしてみる

風香:なみちゃんが2年前から色々と動き出したきっかけが気になりました。2年前に何があったんだと。

なみちゃん:そういえば、別の人にも「なみちゃんはどこから現れたの?」て聞かれた。でも、風香さんもそうじゃないですか?

風香:たしかに私も聞かれる(笑)

なみちゃん:IT系の会社でシステムエンジニアとして働いていたけれど、辞めて無職になって。とにかく毎日暇だったんです。だから、面白そうだなって思うイベントに出かけ始めたのが1番最初で。
お金は減っていく一方だから不安もあったんだけど、でも死なないぐらいのお金はあるからいっかと思って。
でも最近思ったのが、とにかく足で稼いで、見て学んでを最初にしてた。誰かのイベントとか、とにかく行ってみる。行ってみて、何かに出会えるかもしれないし、そうじゃないかもしれないし。それを何回も繰り返して。

日神山さん:行ってみないと、ほんとわからない。

なみちゃん:偶然の出会いばっかり。

日神山さん:そうなんだよ、ほんとにびっくりするぐらい、そういうことで世の中回ってる。後から考えれば、あの時あそこに行ってなかったら、あれは発生しなかった。
動かないと生まれないってことなんだよな。うちで寝てたら多分ないものね。最初に大事なのはやっぱりそこかも。
あとがき
日神山さんとなみちゃんをゲストとしてお呼びした今回のポップアップトーク、合間に通りかがたった知り合いとの雑談があったりと、終始和やかな雰囲気でした。
日神山さんの「縁と運とタイミング」という話や、なみちゃんの「とにかく行ってみる。何かに出会えるかもしれないし、そうじゃないかもしれないし」という話が印象に残りました。
どこで、どのように繋がるかはわからないけれど、そのとき、目の前にいる人との出会いや時間を大切にしてきた二人だからこそ、その周りに集まっている人との空気感がとても素敵なんだろうなと感じた時間でした!

